「扶養家族」と「扶養親族」、この二つの言葉、似ているようで実は意味が違うことをご存知でしょうか? 今回は、この 扶養家族と扶養親族の違い を、分かりやすく、そして具体的に解説していきます。日常生活や税金の話でよく出てくる言葉なので、しっかり理解しておくと役立つはずです。
扶養家族と扶養親族:基本を理解しよう
「扶養家族」という言葉は、一般的に、収入を支えている人(扶養者)が生活の面倒を見ている家族全体を指す広い意味で使われます。一方、「扶養親族」は、税法上の扶養親族として認められる、特定の条件を満たす親族のことを指します。つまり、 扶養家族という大きな枠の中に、税法上の扶養親族という、より具体的な定義を持つものが含まれている 、と考えると分かりやすいでしょう。
もう少し具体的に見てみましょう。
- 扶養家族の例 :配偶者(専業主婦・主夫)、子供、両親、兄弟姉妹など、生計を一つにしている家族全般。
- 扶養親族の例 :高校生のお子さん、大学生のお子さん、年老いた親など、一定の所得以下で、扶養者から生活費の援助を受けている人。
このように、扶養家族は家族関係で捉えることが多いのに対し、扶養親族は税金や社会保険などの制度上で、その条件が細かく定められている点が特徴です。
扶養家族の範囲:誰が対象になる?
扶養家族というのは、法的な定義というよりは、生活を共にし、経済的に支え合っている関係にある人たちを指す言葉です。具体的には、以下のような関係の人が含まれることが多いです。
- 生計を一にする親族 :同居していなくても、生活費を送金するなどして、生活を一緒にしている親族。
- 配偶者 :夫または妻。
- 子、孫、兄弟姉妹 :子供や孫、また両親の兄弟姉妹など、年齢に関わらず、経済的に支えている場合。
- 両親、祖父母 :親や祖父母で、同居しているか、離れていても生活費を援助している場合。
この「生計を一にする」という点が重要で、例えば単身赴任している家族や、留学中の子供なども、仕送りなどで生活を支えていれば扶養家族に含まれます。 扶養家族という意識は、家族の温かい繋がりを大切にする上で、とても大切な考え方 です。
扶養親族の条件:税金との関連性
扶養親族は、主に税法上の「扶養控除」を受けるために重要な存在です。扶養控除とは、所得税や住民税を計算する際に、一定の金額を所得から差し引いてくれる制度のこと。この扶養親族になるためには、いくつかの条件を満たす必要があります。主な条件は以下の通りです。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| その年の合計所得金額が48万円以下であること | 給与収入のみの場合、年収103万円以下に相当します。 |
| 配偶者以外の親族または養子であること | 自分自身や配偶者以外の、血縁関係や法律上の親子関係がある人。 |
| 生活費、教育費、療養費などのいずれかや、これらに類するもので扶養していること | 経済的に支援していること。 |
| 「租税特別措置法」の規定などにより、源泉控除対象配偶者または扶養控除対象配偶者でないこと | 配偶者控除や配偶者特別控除の対象になる配偶者とは異なること。 |
これらの条件を満たすことで、扶養者であるあなたは税金が安くなる可能性があります。 扶養親族の制度を理解することは、家計の負担を軽減するためにも非常に役立ちます。
扶養親族の区分:一般と特定の違い
扶養親族は、さらに「一般の扶養親族」と「特定の扶養親族」に分けられます。この区分によって、控除できる金額が変わってきます。それぞれの特徴を見ていきましょう。
- 一般の扶養親族 :16歳以上で、上記の扶養親族の条件を満たす人。例えば、高校生や大学生の子供、両親などが該当します。
- 特定の扶養親族 :19歳以上23歳未満の子供。大学や専門学校に通っている場合などが該当することが多いです。この区分になると、一般の扶養親族よりも控除額が大きくなる場合があります。
つまり、子供が大学に通っている場合など、 年齢や就学状況によって、税金上のメリットが変わってくる のです。
扶養控除の金額:いくら安くなる?
扶養親族がいると、所得税や住民税が軽減されます。その金額は、扶養親族の年齢や、扶養者本人の所得によって変わってきます。具体的には、以下のような控除額が設定されています(令和2年度税制改正後)。
- 一般の扶養親族 :38万円
- 特定扶養親族 :63万円(19歳以上23歳未満)
- 老人扶養親族 (70歳以上の親など):48万円
- 同居の老親等 (70歳以上の親など):58万円
これらの金額は、あくまで「控除される金額」であり、直接手元に戻ってくるわけではありません。しかし、 所得税や住民税の負担が軽くなるため、家計にとっては大きな節約効果 があります。
扶養家族と扶養親族のまとめ:日常生活での注意点
ここまで、扶養家族と扶養親族の違い、そして扶養親族の条件や税金上のメリットについて解説してきました。簡単にまとめると、扶養家族は広い意味での「家族」、扶養親族は税法上の「条件を満たす親族」です。
日常生活でこの違いを意識する場面としては、以下のようなことが考えられます。
- 家族で旅行に行く場合 :「家族全員で」という意識が大切。
- 年末調整や確定申告をする場合 :「扶養親族」の条件に当てはまるか確認が必要。
- 社会保険の扶養に入る場合 :健康保険組合などで定められた条件を確認する必要がある。
税金や社会保険の手続きにおいては、扶養親族の定義を正確に把握することが非常に重要 です。
このように、扶養家族と扶養親族は、それぞれ異なる文脈で使われる言葉ですが、どちらも「経済的に支え合っている関係」という共通点があります。今回解説した内容が、皆さんの理解を深める一助となれば幸いです。