「歯や口の中のことで病院に行きたいけど、口腔内科と口腔外科、どっちに行けばいいんだろう?」と迷ったことはありませんか? 口腔内科と口腔外科は、どちらも口の病気を診る科ですが、その専門分野や得意とする治療が大きく異なります。 この記事では、 口腔内科と口腔外科の違い を分かりやすく解説し、あなたの症状に合った適切な科を選ぶためのお手伝いをします。

治療範囲でわかる! 口腔内科と口腔外科の主な違い

まず、一番分かりやすい違いは、それぞれの科がどのような病気や症状を専門としているか、という点です。 口腔内科は、歯の「病気」や「全身との関連」に焦点を当て、口腔外科は、口や顎の「外傷」や「手術」を必要とする処置を得意としています。 この根本的な違いを理解することが、どちらの科を選ぶかの第一歩となります。

具体的に見ていきましょう。

  • 口腔内科
    • 虫歯や歯周病などの一般的な歯科治療
    • 口内炎、舌痛症、ドライマウス(口腔乾燥症)などの粘膜や軟組織の病気
    • 味覚障害、知覚異常
    • 顎関節症(がくかんせつしょう)など、噛み合わせや筋肉の不調
    • 全身疾患(糖尿病、膠原病など)と関連する口腔内の症状
  • 口腔外科
    • 親知らずの抜歯
    • 埋伏歯(まいふくし)の抜歯
    • 顎骨(がっこつ)の骨折や打撲などの外傷
    • 口や顎の腫瘍(しゅよう)の切除
    • 口唇(こうしん)や口蓋(こうがい)の先天異常(口唇裂、口蓋裂)の治療
    • インプラント手術
    • 難易度の高い抜歯

このように、口腔内科は「病気」の診断と治療、口腔外科は「手術」や「外科処置」が中心となります。 ご自身の症状が、薬で治るのか、それとも手術が必要なのか をイメージすると、どちらの科が適しているか見えてくるでしょう。

症状別! どちらの科を受診すべきか?

では、具体的な症状が出た場合、どちらの科を受診すれば良いのでしょうか。 ここでは、よくある症状を例に、受診の目安を解説します。

歯の痛みや腫れ、虫歯・歯周病の治療

「最近、歯がズキズキ痛む」「歯茎が腫れてきた」「冷たいものがしみる」といった、いわゆる「歯のトラブル」は、ほとんどの場合、口腔内科で対応してもらえます。 虫歯の治療、歯周病の進行を抑えるためのクリーニングや治療、根管治療(こんかんちりょう)などは、口腔内科の得意分野です。

ただし、虫歯が深くまで進んでしまい、抜歯が必要になったり、歯周病が重度になり、骨を削るような処置が必要になったりした場合は、口腔外科の専門的な技術が必要となることもあります。 そのため、まずは口腔内科を受診し、必要に応じて口腔外科への紹介を受けるのが一般的な流れです。

以下に、症状と受診科の目安をまとめました。

症状 主な受診科 補足
歯の痛み、冷たいものがしみる 口腔内科 虫歯や知覚過敏の可能性
歯茎の腫れ、出血 口腔内科 歯周病の可能性
抜歯が必要かもしれない 口腔内科 → 口腔外科 親知らずや埋伏歯は口腔外科の専門

口内炎や舌の痛み

「口の中にできたできものが治らない」「舌がヒリヒリ痛む」「口の中が乾いてつらい」といった、口の粘膜や舌、唇などの症状も、主に口腔内科で診てもらえます。 口内炎の原因を特定し、適切な薬を処方してもらったり、ドライマウスの対策を相談したりできます。 舌痛症(ぜっつうしょう)や味覚異常なども、口腔内科の専門医が診断・治療を行います。

ただし、口の中にできた「できもの」が大きかったり、なかなか治らなかったりする場合は、悪性腫瘍(がん)の可能性も考慮し、精密検査や切除が必要になることがあります。 そのような場合は、口腔外科が専門的な治療を担当します。

顎の痛みや口が開けにくい(顎関節症)

「口を開け閉めするときにカクカク音がする」「顎が痛む」「口が大きく開けられない」といった顎関節症の症状は、口腔内科で治療することが多いです。 顎の筋肉の緊張を和らげるためのマウスピース(スプリント)の作成や、ストレッチ指導などが行われます。

しかし、顎の骨折や、交通事故などで顔面を強く打ったことによる顎の変形など、明らかな外傷が原因の場合は、口腔外科での治療が必要となります。 骨を正しい位置に戻す手術など、専門的な処置が施されます。

親知らずの抜歯

親知らずの抜歯は、口腔外科の代表的な治療の一つです。 親知らずがまっすぐ生えていれば比較的簡単に抜けることもありますが、斜めに生えていたり、骨の中に埋まっていたり(埋伏歯)すると、抜歯が難しくなります。 このようなケースでは、歯茎を切開したり、骨を削ったりする必要があり、高度な技術と経験が求められます。

親知らずの抜歯で悩んでいる方は、まず口腔内科でレントゲン撮影などを行い、親知らずの状態を把握してもらいましょう。 その上で、抜歯の難易度が高いと判断されれば、専門的な治療が可能な口腔外科を紹介してもらうのがスムーズです。

事故や怪我による口・顔面の損傷

交通事故やスポーツ中の事故などで、口や顔面に怪我を負った場合は、迷わず口腔外科を受診してください。 顎の骨折、顔面の裂傷、歯の破折や脱臼など、外傷による損傷は、見た目の問題だけでなく、噛み合わせや機能にも大きな影響を与えます。 口腔外科医は、これらの外傷を正確に診断し、手術や固定による治療を行い、できるだけ元の状態に近づけるよう努めます。

外傷の程度によっては、歯科だけでなく、形成外科や脳神経外科など、他の診療科との連携が必要になる場合もあります。 口腔外科は、そのような複雑なケースにも対応できる専門性の高い科です。

口や顎の腫瘍(しゅよう)

口の中や顎の骨に、しこりや腫れが見られる場合、腫瘍の可能性があります。 良性の腫瘍であれば口腔内科で治療できることもありますが、悪性腫瘍(がん)が疑われる場合は、速やかに口腔外科での精密検査と治療が必要です。 口腔外科医は、腫瘍の種類を正確に診断し、必要に応じて切除手術を行います。 また、手術後の再建や、化学療法、放射線療法など、集学的治療(しゅうがくてきちりょう)を行う場合もあります。

早期発見・早期治療が非常に重要ですので、気になる症状があれば、まずは口腔内科で相談し、必要であれば口腔外科へ紹介してもらうようにしましょう。

このように、口腔内科と口腔外科は、それぞれ得意とする分野が異なります。 ご自身の症状を正しく理解し、適切な科を受診すること は、早期の回復と健康維持のために非常に大切です。

もし、どちらの科に行くべきか迷った場合は、まずはかかりつけの歯科医院(口腔内科)に相談してみましょう。 専門医があなたの症状をしっかり診て、必要であれば専門性の高い口腔外科へスムーズに紹介してくれます。 あなたのお口の健康を守るために、上手に医療機関を活用してくださいね。

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