「月給」と「手取り」、この二つの言葉、よく聞くけれど、実際にはどんな違いがあるのか、きちんと説明できますか? 月給と手取りの違いを理解することは、自分の収入を正しく把握し、計画的にお金を管理するためにとても大切です。ここでは、この二つの違いについて、分かりやすく解説していきます。

月給と手取り、何が違うの?〜基本をマスターしよう!〜

まず、一番分かりやすいのは「月給」です。月給とは、会社から提示される、1ヶ月あたりの給料の総額のことを指します。いわゆる「額面給与」と呼ばれるもので、あなたの頑張りが評価されて、契約で定められた金額ということになります。

一方、「手取り」は、この月給から税金や社会保険料などが差し引かれた、実際に銀行口座に振り込まれる金額のことです。つまり、 手取りこそが、あなたが自由に使えるお金の現実的な金額 なのです。

この違いを理解することは、家計を管理する上で非常に重要です。なぜなら、求人情報などで「月給○○万円」と書かれていても、実際に手元に残る金額はそれよりも少なくなるからです。例えば、以下のような項目が差し引かれます。

  • 所得税
  • 住民税
  • 健康保険料
  • 厚生年金保険料
  • 雇用保険料

これらを差し引いた金額が、あなたが毎月受け取る「手取り」となるわけです。

税金って、なんで引かれるの?〜所得税と住民税の仕組み〜

月給から手取りを計算する上で、まず大きく影響するのが税金です。税金には主に所得税と住民税があり、これらはあなたの所得に応じて国や地方自治体に納める義務があります。

所得税は、個人の所得に対してかかる税金で、国に納めます。所得税の計算は少し複雑で、年間の所得から各種控除(扶養控除や医療費控除など)を差し引いた「課税所得」に税率をかけて計算されます。税率は所得が多いほど高くなる「累進課税」という仕組みになっています。

住民税は、住んでいる都道府県や市区町村に納める税金です。こちらも所得に応じて計算されますが、所得税とは異なり、原則として所得金額に一定の税率(均等割と所得割)をかけて計算されます。住民税は、前年の所得に対して課税され、通常は6月から翌年5月にかけて徴収されます。

税金の種類 納める先 計算方法(概略)
所得税 課税所得 × 税率(累進課税)
住民税 都道府県・市区町村 所得金額 × 税率(均等割+所得割)

社会保険料って、何のため?〜健康保険・年金・雇用保険〜

月給から差し引かれるもう一つの大きな項目が、社会保険料です。これらは、将来の安心や万が一の時のための保障として、国や自治体が運営する制度に加入するために支払うものです。

健康保険料は、病気やケガで働けなくなった時などに、医療費の負担を軽減してくれる健康保険に加入するために支払います。保険料は、給料によって決まる「標準報酬月額」に保険料率をかけて計算されます。

厚生年金保険料は、将来、高齢になった時のための年金(老齢年金)や、万が一、障害を負った時のための年金(障害年金)、そして亡くなった時に遺族に支払われる年金(遺族年金)を受け取るために支払います。こちらも健康保険料と同様に、標準報酬月額に基づいて計算されます。

雇用保険料は、失業した際に、生活を保障するための失業手当(基本手当)を受け取るために支払います。保険料率は、業種によって多少異なりますが、一般的には給料の数パーセント程度です。

  1. 健康保険
  2. 厚生年金保険
  3. 雇用保険

これらの社会保険料は、会社と従業員が折半して負担する場合が多いです。

手取りを増やすには?〜節約と副業の賢い選択〜

「手取りを増やしたい!」そう思っている人は多いはずです。手取りを増やすためには、大きく分けて「支出を減らす(節約)」ことと、「収入を増やす(副業など)」ことの二つのアプローチがあります。

節約は、日々の生活費を見直すことから始まります。例えば、食費、通信費、光熱費など、固定費や変動費を意識して、無駄遣いをなくすことが大切です。賢い節約術としては、

  • 家計簿をつけて支出を把握する
  • 格安SIMへの乗り換えを検討する
  • 自炊の回数を増やす
  • 電力会社やガス会社を見直す

などが挙げられます。

一方、収入を増やす方法としては、副業が考えられます。自分のスキルや経験を活かせる副業を見つけることで、本業とは別に収入を得ることができます。ただし、副業が許可されているか、税金はどうなるのかなど、事前に会社の規定や税金について確認しておくことが重要です。

確定申告って、いつするの?〜税金がお得になるかも?〜

一般的に、会社員の場合は毎月の給料から税金や社会保険料が天引き(源泉徴収)されているため、年末調整で税金の計算が完了します。しかし、特定のケースでは「確定申告」という手続きが必要になります。

確定申告が必要なケースとしては、

  • 年間の給与所得が2,000万円を超える場合
  • 2ヶ所以上から給与を得ていて、年末調整を受けていない給与所得以外の所得の合計額が20万円を超える場合
  • 副業などの所得がある場合
  • 医療費控除や住宅ローン控除など、税金が還付される可能性がある場合

などが挙げられます。確定申告をすることで、払いすぎた税金が還付されることもあります。

ふるさと納税って、お得なの?〜税金控除の活用法〜

ふるさと納税は、自分の選んだ自治体に寄付をすることで、寄付額のうち2,000円を超える部分について、所得税や住民税から控除(差し引くこと)が受けられる制度です。さらに、寄付した自治体から、その地域の名産品などのお礼の品(返礼品)がもらえるという、お得な制度です。

例えば、あなたが10,000円をふるさと納税として寄付した場合、

  • 所得税や住民税から、8,000円(10,000円 - 2,000円)が控除されます。
  • さらに、10,000円相当の返礼品がもらえます。

このように、実質2,000円の負担で、返礼品を手に入れることができるのです。ただし、控除される金額には上限があるので、自分の収入に合わせて、いくらまで寄付できるのかを確認することが大切です。

生命保険料控除、医療費控除って?〜知っておきたい税金控除〜

月給から引かれる税金を少しでも減らすために、知っておきたいのが「税金控除」です。税金控除とは、所得税や住民税の計算をする際に、一定の金額を所得から差し引くことができる制度のことです。

代表的なものに「生命保険料控除」があります。これは、民間の生命保険(生命保険、介護医療保険、個人年金保険)に加入している場合に、支払った保険料に応じて一定額を所得から差し引くことができる制度です。年間で支払った保険料の合計額に応じて、控除額が決まります。

また、「医療費控除」も重要な控除の一つです。これは、1年間(1月1日から12月31日まで)に支払った医療費の合計額が、一定の金額(通常は10万円、または総所得金額の5%のいずれか少ない方)を超える場合に、その超えた金額を所得から差し引くことができる制度です。家族の医療費も合算できます。

  1. 生命保険料控除
  2. 医療費控除
  3. 地震保険料控除
  4. 寄附金控除(ふるさと納税もこれに含まれます)

これらの控除を上手に活用することで、税金の負担を軽減することができます。

まとめ:月給と手取りの違いを理解して、賢いお金の使い方を!

ここまで、月給と手取りの違い、そしてそれにまつわる税金や社会保険料、さらには賢く手取りを増やす方法や税金控除について解説してきました。月給はあくまで「額面」であり、実際に手元に残るのは「手取り」であることをしっかりと理解し、自分の収入を正確に把握することが、お金を上手に管理するための第一歩です。家計簿をつけたり、節約術を実践したり、税金控除を賢く活用したりすることで、あなたの生活はきっとより豊かになるはずです。

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