「案件(あんけん)」と「事案(じあん)」、どちらも「何か」が起こったときに使われる言葉ですが、そのニュアンスには違いがあります。この二つの言葉の「案件 と 事案 の 違い」を、分かりやすく、そしてスッキリ理解できるように解説していきますね!
「案件」って、どんなもの?
まず「案件」について見ていきましょう。「案件」というのは、一般的に「仕事として取り組むべき、まとまった課題」のことを指します。会社で新しいプロジェクトが立ち上がったり、お客様から依頼があったりするときなどに使われることが多い言葉です。つまり、 何かを解決したり、達成したりするために、計画的に進めなければならないこと が「案件」と言えるでしょう。
- 例1:新しい商品の開発案件
- 例2:顧客からのクレーム対応案件
- 例3:海外支店との連携強化案件
このように、「案件」にはある程度の規模や目的があり、関係者が協力して進めるイメージがあります。それぞれの案件には、担当者、期限、予算などが設定されていることがほとんどです。
| 案件の特徴 | 例 |
|---|---|
| 計画的・網羅的 | 新商品開発、イベント企画 |
| 達成・解決が目的 | 売上目標達成、新規顧客獲得 |
| 関係者が関わる | 部署横断プロジェクト、チームでの作業 |
「事案」って、どんなもの?
次に「事案」についてです。「事案」は、「起こった出来事」そのものを指すことが多いです。特に、 問題が生じた場合や、注意・調査が必要な状況 で使われる傾向があります。例えば、事故やトラブル、違反行為などが「事案」と呼ばれることがあります。
「案件」が「これからやるべきこと」というニュアンスが強いのに対し、「事案」は「すでに起こってしまったこと」に焦点が当たっていることが多いのです。
- 不祥事事案の調査
- 情報漏洩事案の対応
- 交通違反事案の処理
「事案」は、その性質上、迅速な対応や原因究明が求められる場合が多いです。また、「事案」が大きくなると、それが「案件」として、解決や再発防止のための対策が進められることもあります。
「案件」と「事案」の明確な違い
「案件」と「事案」の最も大きな違いは、その 「発生の仕方」と「捉え方」 にあります。「案件」は、目標達成や課題解決のために「設定された」もの、あるいは「意図的に始められた」ものです。一方、「事案」は、予期せず「発生した」出来事、特に問題として扱われるべきものを指します。
例えば、新しいシステムを導入するという話になったとき、それは「システム導入案件」となります。しかし、そのシステムが原因で大きなトラブルが発生してしまったら、そのトラブルは「システム障害事案」と呼ばれるでしょう。そして、そのトラブルを解決するための活動は、再び「システム復旧案件」となります。
この様に、両者は独立しているわけではなく、状況によって互いに変化することもあります。 「案件」は計画的・能動的、「事案」は偶発的・受動的 というイメージを持っておくと分かりやすいかもしれません。
「案件」が「事案」に変わる時
「案件」として進めていたことが、予期せぬ問題を引き起こし、「事案」として扱われるようになることもあります。例えば、新しいマーケティングキャンペーンという「案件」が、消費者の誤解を招いてしまい、大きなクレームにつながった場合、そのクレームは「マーケティングキャンペーンに関する事案」となります。この場合、当初の「案件」の目的とは異なる、新たな問題解決が求められることになるのです。
- 初期段階: 新商品開発(案件)
- 問題発生: 商品の品質問題(事案)
- 対応: 品質改善とリコール(案件)
このように、一つの出来事が「案件」として始まり、「事案」という形で表面化し、そしてまた新たな「案件」へと移行していく、という流れもよく見られます。
「事案」が「案件」に変わる時
逆に、「事案」として発生した出来事が、それを解決・処理するための「案件」として位置づけられることももちろんあります。例えば、社員の不正行為が発覚した場合、それは「不正行為事案」です。この事案に対して、原因究明、処分、再発防止策の検討、といった一連の活動が「不正行為対応案件」という形で進められます。 「事案」を放置せず、きちんと対応していくことが「案件」となる のです。
ですから、「事案」は決してネガティブなものだけを指すわけではありません。企業にとって重要な課題として、組織的に取り組むべき対象となり得ます。
| 「事案」が「案件」になる例 | 具体的な活動 |
|---|---|
| 情報漏洩事案 | 原因調査、セキュリティ強化、被害者への対応 |
| 労災事案 | 事故原因の究明、安全対策の見直し、再発防止策の実施 |
| コンプライアンス違反事案 | 社内規定の見直し、社員教育の強化、内部統制の強化 |
「案件」と「事案」を使い分けるコツ
「案件」と「事案」を使い分ける上で、意識したいのは、 「これから何をするか?」 という視点です。もし、これから計画を立てて、誰かと協力して何かを達成したり、問題を解決したりするのであれば、それは「案件」である可能性が高いです。一方、すでに起こってしまった問題や、調査・対応が必要な出来事であれば、「事案」と捉えるのが自然です。
例えば、会議で「この件、どうしましょうか?」と聞かれたときに、
- 「新しい企画を立ち上げる話なら、それは『新規事業開発案件』ですね。」
- 「先週発生したシステムエラーのことなら、それは『システムエラー事案』として調査が必要です。」
このように、状況に応じて適切な言葉を選ぶことで、コミュニケーションがよりスムーズになります。
まとめ:スッキリ理解!
「案件」と「事案」の違い、いかがでしたか?「案件」は計画的に取り組むべき仕事や課題、「事案」は起こった出来事、特に問題や注意が必要な状況を指すことが多い、ということを覚えておきましょう。この二つの言葉を正しく理解することで、日々の仕事やコミュニケーションが、より分かりやすく、スムーズになるはずですよ!