「利回り」と「利率」、どちらもお金が増える仕組みに関係している言葉ですが、実は意味が違います。この二つの違いをしっかり理解することは、投資を始める上でとても大切です。今回は、この「利回り と 利率 の 違い」を分かりやすく解説していきます。

「利回り」と「利率」の根本的な違い

「利率」とは、預けたお金や借りたお金に対して、どれくらいの割合でお金が増えたり減ったりするかを示す数字のことです。例えば、銀行にお金を預けたときに「年利1%」と言われたら、1年後には預けたお金の1%分の利息がもらえる、ということです。これは、あくまで「額面」での増減を表しています。

一方、「利回り」は、投資した金額全体に対して、どれくらいの利益が得られたかを示す数字です。これには、単なる利息だけでなく、株価の上昇による利益(キャピタルゲイン)や、配当金なども含まれます。つまり、利回りは、投資したお金が「実質的に」どれだけ増えたかを表す、より総合的な指標なのです。

この「実質的な」リターンを把握できることが、利回りの重要な点です。

  • 利率の例: 預金金利、住宅ローンの金利
  • 利回りの例: 株式投資の配当利回り、不動産投資の表面利回り・実質利回り

なぜ「利回り」が重要視されるのか

投資の世界では、単に「利率」が良いからといって必ずしも儲かるとは限りません。なぜなら、投資には様々なコストがかかったり、価格変動のリスクがあったりするからです。利回りは、こうした要素を考慮した上で、最終的にどれくらいの収益が見込めるのかを示すため、投資判断において非常に重要な指標となります。

例えば、株式投資の場合、配当金(利率に似たもの)だけを見ても、株価が大きく下がってしまえば、トータルの利益はマイナスになってしまうこともあります。利回りは、配当金だけでなく、株価の値上がり益も含めた総合的なリターンを示すため、より現実的な投資成果を測るのに役立ちます。

利回りには、いくつかの種類があります。代表的なものとして、以下のようなものがあります。

利回りの種類 内容
配当利回り 株価に対して、配当金がどれくらいの割合か
インカムゲイン利回り 家賃収入など、定期的な収益の割合
トータルリターン利回り 配当金や値上がり益など、全ての収益を含めた割合

表面利回りと実質利回りの違い

不動産投資において、よく耳にするのが「表面利回り」と「実質利回り」です。この二つを混同してしまうと、大きな誤解を生むことがあります。

表面利回りは、物件の購入価格に対して、1年間の家賃収入がどれくらいの割合かを示す、非常にシンプルな計算方法です。計算式は以下の通りです。

表面利回り (%) = 年間家賃収入 ÷ 物件購入価格 × 100

しかし、この表面利回りには、物件を維持するためにかかる費用(管理費、固定資産税、修繕費など)が含まれていません。そのため、表面利回りだけを見て「儲かりそうだ!」と判断するのは早計です。

実質利回りは、表面利回りの計算に、物件を維持するためにかかる費用(経費)を差し引いた上で計算されます。そのため、表面利回りよりも実際の収益に近い数字と言えます。

実質利回り (%) = (年間家賃収入 - 年間経費) ÷ 物件購入価格 × 100

投資においては、この実質利回りをしっかり把握することが、より正確な投資判断につながります。

債券投資における利回り

債券投資でも、「利回り」という言葉がよく使われます。債券は、国や企業がお金を借りるために発行するもので、満期まで保有すれば、額面金額が返ってきます。そして、定期的に利息(クーポン)が支払われます。

債券の「利率」は、額面金額に対して支払われる固定の利息の割合です。しかし、市場で債券が取引される際には、その時々の金利情勢や発行体の信用度などによって価格が変動します。そのため、債券を「購入した価格」に対して、どれくらいの利息収入が見込めるかを示すのが「利回り」です。

債券の利回りには、主に以下の二つがあります。

  1. 最終利回り: 債券を購入した価格から、満期までの利息収入と、満期時の償還差益(購入価格と額面金額の差)を考慮した、実質的な利回りです。
  2. クーポン利回り(表面利回り): 額面金額に対して支払われる利息の割合で、これは発行時に決められた利率と同じになります。

債券を途中で売買する場合、価格変動によって最終利回りは大きく変わります。そのため、投資家は、購入時に最終利回りを重視して判断することが多いです。

株式投資における利回り

株式投資における「利回り」は、主に「配当利回り」と「トータルリターン」として捉えられます。

配当利回り: これは、1株あたりの年間配当金を、現在の株価で割ったものです。つまり、株価に対して、配当金がどれくらいの割合で得られるかを示しています。

配当利回り (%) = 1株あたりの年間配当金 ÷ 現在の株価 × 100

配当利回りが高いということは、投資した金額に対して、より多くの配当金が得られる可能性が高いということです。これは、インカムゲイン(配当金などの定期的な収入)を重視する投資家にとって、魅力的な指標となります。

しかし、配当金だけではなく、株価自体の値上がり益(キャピタルゲイン)も、株式投資の重要なリターンです。そのため、総合的な投資成果を測るためには、配当利回りだけでなく、株価の変動も考慮した「トータルリターン」を考える必要があります。

トータルリターンは、配当金と、株価の値上がり益(または値下がり損)を合計したものです。例えば、株価が上昇し、さらに配当金も得られた場合は、トータルリターンは高くなります。

投資信託における利回り

投資信託の「利回り」という言葉は、少し複雑に聞こえるかもしれませんが、基本的には、投資した金額に対してどれだけ資産が増えたかを示すものです。

投資信託には、様々な種類があり、それぞれ運用方針や投資対象が異なります。そのため、一概に「この利回り」と言うのは難しいのですが、一般的には「運用利回り」や「分配金利回り」という形で示されることがあります。

  • 運用利回り: 投資信託の基準価額(投資信託の値段のようなもの)の変動によって得られる利益を示します。基準価額は、投資信託が保有する株式や債券などの値動きによって日々変動します。
  • 分配金利回り: 投資信託から分配される利益(分配金)を、投資した金額に対してどれくらいの割合かを示します。分配金は、投資信託が運用で得た利益の一部を投資家に還元するものです。

投資信託の目論見書(投資信託の説明書)には、過去の運用実績として、様々な期間の「収益率」が記載されています。この収益率が、実質的な利回りに近いものと言えるでしょう。投資信託を選ぶ際には、過去の収益率だけでなく、将来的な期待リターンやリスクも理解することが重要です。

まとめ:利回り と 利率 の 違いを活かす

ここまで、「利回り」と「利率」の違いについて、様々な角度から見てきました。「利率」はあくまで表面的なお金の増減を示すもので、一方「利回り」は、投資した金額全体に対する実質的なリターンを示す、より実践的な指標です。

投資を成功させるためには、この「利回り と 利率 の 違い」をしっかりと理解し、それぞれの投資対象における利回りの意味を正しく把握することが不可欠です。表面的な数字に惑わされず、実質的なリターンを見極める目を養いましょう。そうすることで、より賢く、より効果的な投資ができるようになるはずです。

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