「ちょっと体調が悪いな…」と思ったとき、病院に行こうと思っても、「内科」と「循環器内科」って、どっちに行けばいいんだろう?と迷ったことはありませんか? 実は、この二つの科には、それぞれ得意とする分野があります。今回は、 循環器内科と内科の違い を分かりやすく解説し、皆さんが安心して受診できるような情報をお届けします。

内科とは:全身を診る、まるで「体の探偵」!

まず、皆さんがよく知っている「内科」についてお話ししましょう。内科は、病気や体の不調を抱える患者さんの「体全体」を診る、まさに「体の探偵」のような存在です。風邪をひいて熱が出たり、お腹が痛くなったり、咳が止まらなかったり… こういった、比較的よくある症状のほとんどは、まず内科で診てもらうことができます。

内科医は、患者さんの話を聞き、体を調べ、必要に応じて検査を行い、病気の原因を特定していきます。その対象は、呼吸器(肺や気管)、消化器(胃や腸)、泌尿器(腎臓や膀胱)など、体の中の幅広い部分に及びます。まるで、:

  • 風邪やインフルエンザ
  • 胃腸炎
  • 花粉症などのアレルギー
  • 高血圧や糖尿病などの生活習慣病

といった、日常的によく見られる病気から、少し複雑な病気まで、幅広く対応してくれます。 内科は、私たちの健康の「かかりつけ医」として、最初に相談するのに最適な場所なのです。

内科での診察の流れは、おおむね以下のようになります。

  1. 問診:症状や気になることを詳しく聞かれます。
  2. 身体診察:聴診器で心臓や肺の音を聞いたり、お腹を触ったりします。
  3. 検査:必要に応じて、血液検査、尿検査、レントゲン検査などを行います。
  4. 診断と治療:検査結果をもとに診断し、薬の処方や生活指導などを行います。

循環器内科とは:心臓と血管の「専門家」!

一方、「循環器内科」は、その名の通り、私たちの体の「血液を送り出すポンプ」である心臓と、その血液が流れる「道」である血管、そして血液そのものに関する病気を専門とする科です。心臓病や血管の病気は、命に関わることも少なくないため、専門的な知識と技術が求められます。

循環器内科が扱う主な病気には、次のようなものがあります。

病名 症状の例
狭心症・心筋梗塞 胸の痛み、息切れ、冷や汗
不整脈 動悸、めまい、失神
心不全 むくみ、息切れ、だるさ
高血圧(重症) 頭痛、めまい

これらの病気は、早期発見・早期治療が非常に重要です。 心臓や血管に少しでも不安を感じたら、迷わず循環器内科を受診することが大切です。

循環器内科では、心電図、心臓超音波検査(エコー)、レントゲン検査、CT検査、MRI検査、カテーテル検査など、心臓や血管の状態を詳しく調べるための専門的な検査を数多く行います。

また、循環器内科では、以下のような検査を積極的に行います。

  • 心電図検査:心臓の電気的な活動を記録します。
  • 心臓超音波検査:心臓の動きや弁の状態をリアルタイムで観察します。
  • ホルター心電図:24時間心電図を記録し、普段気づかない不整脈などを調べます。

どんな時にどちらの科へ? ~症状別アドバイス~

さて、具体的にどのような症状の場合に、どちらの科を受診すれば良いのでしょうか。迷ったときの参考にしてください。

まずは、一般的な症状で、比較的軽度なものから始めましょう。

  • 風邪 :鼻水、喉の痛み、微熱、咳など、風邪のひき始めかな?と思ったら、まずは 内科 へ。
  • お腹の調子が悪い :胃痛、下痢、便秘など、消化器系の不調も 内科 が専門です。
  • 発熱 :原因がはっきりしない発熱も、まずは 内科 で全身の状態を診てもらいましょう。

次に、心臓や血管に関係が疑われる症状についてです。

  1. 胸の痛みや圧迫感 :これは 循環器内科 を強く疑うべき症状です。特に、体を動かしたときに強くなる、冷や汗を伴う場合は、すぐに受診しましょう。
  2. 動悸や息切れ :普段と違う動悸や、少し動いただけで息切れがする場合は、心臓に問題がある可能性があります。 循環器内科 で詳しく調べてもらいましょう。
  3. 足のむくみやだるさ :特に夕方になって足がむくむ、だるいといった症状は、心臓の機能低下が原因の場合があります。 循環器内科 の専門分野です。

内科で診てもらえる「循環器系の病気」

「あれ?じゃあ、内科では心臓の病気は診られないの?」と思った方もいるかもしれませんね。実は、 内科でも、ある程度の循環器系の病気は診てもらうことができます。 例えば、健康診断で「血圧が高いですね」と言われたり、軽度の不整脈が見つかったりした場合、まずはかかりつけの内科医が相談に乗ってくれることが多いでしょう。

内科医は、全身を診る中で、初期の循環器系の異常に気づくことができます。その上で、必要であれば専門である循環器内科への紹介状を書いてくれたり、アドバイスをしてくれたりします。

内科で対応可能な循環器系の病気(初期段階) 専門医(循環器内科)の受診が推奨される場合
軽度の高血圧 急激な血圧上昇、コントロールが難しい高血圧
軽度のコレステロール値異常 動脈硬化が進行している疑いがある場合
一部の不整脈(無症状、軽度) 頻繁な動悸、めまい、失神を伴う不整脈

このように、 内科は、循環器系の病気の「入り口」としての役割も担っている と言えます。

循環器内科での「専門的な検査」

循環器内科では、心臓や血管の状態をより詳しく、精密に調べるための専門的な検査が数多く行われます。これらの検査は、病気の早期発見や、病状の正確な把握、そして適切な治療法を選択するために不可欠です。

代表的な検査としては、以下のようなものがあります。

  • 心臓超音波検査(心エコー) :音波を使って、心臓の大きさ、壁の厚さ、弁の動き、血液の流れなどをリアルタイムで観察します。
  • 心臓カテーテル検査 :細い管(カテーテル)を血管から挿入し、心臓の血管(冠動脈)に造影剤を流して、詰まりや狭くなっている部分がないか調べます。
  • 心臓MRI検査 :強力な磁場と電波を使って、心臓の断層画像を撮影し、心臓の形や機能、病変の有無などを詳しく調べます。

これらの検査は、経験豊富な医師の判断のもと、患者さんの状態に合わせて行われます。

内科と循環器内科の「連携」

先ほどもお話ししましたが、内科と循環器内科は、それぞれ得意分野が異なるものの、患者さんの健康を守るために密接に連携しています。例えば、内科で高血圧や糖尿病などの生活習慣病の治療を受けている患者さんが、後に心臓病のリスクが高いと判断された場合、循環器内科医と連携して治療方針を決めていくことになります。

また、循環器内科で治療を受けた患者さんが、退院後に他の病気(例えば、風邪など)にかかった場合は、かかりつけの内科医が診察し、必要に応じて循環器内科医と情報共有を行います。

  • 相互紹介 :必要に応じて、お互いの科へ患者さんを紹介し合います。
  • 情報共有 :患者さんの病状や治療経過について、医師間で情報を共有します。
  • 合同カンファレンス :複数の科の医師が集まり、難しい症例について検討することもあります。

このように、 両科の連携は、患者さんにとってより質の高い医療を受けるために非常に重要 なのです。

まとめ:迷ったら、まずは「内科」へ!

ここまで、循環器内科と内科の違いについて詳しく見てきました。簡単にまとめると、

  • 内科 :体全体を診る、いわば「総合病院」のような存在。風邪から生活習慣病まで幅広く対応。
  • 循環器内科 :心臓と血管の「専門家」。心臓病や血管の病気を専門に診る。

ということが分かりました。 もし、「どっちに行けばいいか分からない…」と迷ったときは、まずは「内科」を受診することをおすすめします。 内科医が、あなたの症状を聞き、全身の状態を診て、必要であれば専門である循環器内科など、適切な診療科へ紹介してくれます。

自分の体の状態をよく観察し、迷ったときは遠慮なく医師に相談することが、健康への一番の近道です。

これで、循環器内科と内科の違いが、少しでもクリアになったのではないでしょうか。今後の受診の参考にしていただけたら嬉しいです。

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