「八方除け」と「厄除け」、どちらも災いを避けるための風習として耳にしたことがあるかもしれません。しかし、この二つには実は明確な違いがあります。「八方 除け と 厄除け の 違い」を理解することは、より自分に合った形で平穏な日々を送るための第一歩となるでしょう。

「八方除け」と「厄除け」:根本的な概念の違い

まず、「厄除け」とは、一般的に特定の年齢(本厄、前厄、後厄)にあたる年に、その年に訪れるとされる災厄を避けるために行われるものです。これは、人生の節目となる年齢で体調や運気が変化しやすいと考えられてきたことから生まれた習慣です。一方、「八方除け」は、文字通り「八方」から来るあらゆる方角からの災難や不運から身を守ることを目的としています。これは、特定の年齢に限らず、どんな時でも、どこからでも起こりうる様々な困難や不運に対して広く効果があるとされています。

この違いを理解することは、 自分自身の状況や目的に合わせて適切な方策を選ぶ上で非常に重要です。 厄除けは、人生の特定の時期に焦点を当てた、よりパーソナルな「厄」を避けるためのものであり、八方除けは、より広範で普遍的な、あらゆる「災い」に対する防御策と言えます。

具体的に、それぞれの特徴をまとめると以下のようになります。

  • 厄除け
    • 特定の年齢(男女で異なる)に焦点を当てる
    • 人生の節目における健康や運気の変化を意識する
    • 個人個人の「厄年」という概念に基づいている
  • 八方除け
    • 年齢に関係なく、あらゆる方角からの災難を対象とする
    • 日常の様々な困難や予期せぬ不運を防ぐ
    • 「方災」など、場所や方角に起因する災いにも対応

「厄除け」の具体像:人生の節目を守る

「厄除け」は、古くから伝わる日本の習慣であり、多くの人が一度は経験するものです。特に、男女で「厄年」とされる年齢が異なり、その中でも「本厄」とされる年は特に注意が必要とされています。

  1. 前厄 :本厄の前年。本厄に向けて心身の準備をする意味合い。
  2. 本厄 :最も注意が必要とされる年。病気や怪我、人間関係のトラブルなどが起こりやすいとされる。
  3. 後厄 :本厄の翌年。厄が完全に抜けるまでの期間。

この期間に、神社やお寺で厄除けのお祓いをしてもらったり、お守りを身につけたりすることで、災いを最小限に抑えようとします。

「八方除け」の深淵:あらゆる方角からの守護

「八方除け」は、「厄除け」よりもさらに広範な意味合いを持ちます。文字通り、北、南、東、西、北東、南東、南西、北西の八方(そして中心)から来るあらゆる災難や不運から身を守ることを願うものです。これは、人生における予期せぬ困難、事故、病気、人間関係の悪化など、多岐にわたる災いを包括的に防ぐことを目的としています。

「八方除け」のご利益があるとされる代表的な神社としては、神奈川県の寒川神社が有名です。ここでは、一年を通して「八方除け」の祈祷が行われており、多くの人々が訪れます。

「八方除け」の対象となる災難の例は以下の通りです。

災難の種類 具体例
事故 交通事故、転倒による怪我など
病気 急な体調不良、長期化する病気など
人間関係 友人や家族との喧嘩、職場でのトラブルなど
その他 金銭的な損失、物事の遅延など

「八方除け」と「厄除け」の接点

「八方除け」と「厄除け」は、目指すところは「災いを避ける」という点で共通していますが、そのアプローチと対象範囲が異なります。しかし、人生の転換期である厄年に、さらに「八方」からの災いも併せて除けることで、より手厚い加護を得たいと考える人も少なくありません。

例えば、本厄にあたる年に、厄除けのお祓いを受けると同時に、八方除けの神様にもお参りするということも、十分に考えられます。これは、厄年という特定の期間の災いに加え、それ以外の予期せぬ災いからも身を守りたいという、より慎重な姿勢の表れと言えるでしょう。

両方の風習を取り入れる場合の考え方:

  • 厄年を重点的に :本厄の時期には、まず厄除けを最優先に考える。
  • プラスアルファの安心感 :厄除けに加えて、八方除けのお参りをすることで、より広範な安心感を得る。
  • 通年での祈願 :年齢に関係なく、日頃から八方除けの神様にご加護を願う。

「八方除け」を願うべき時

「八方除け」は、特定の年齢に縛られるものではありません。以下のような状況で、「八方除け」の加護を願うことは特に有効だと考えられます。

  1. 新しい門出を迎える時 :進学、就職、結婚、引っ越しなど、人生の大きな変化の時には、予期せぬ困難に直面する可能性も。
  2. 何事もうまくいかないと感じる時 :仕事、プライベート、健康面など、様々なことが滞っていると感じる時に。
  3. 方位に関わること :新築、リフォーム、旅行などで、特定の「方角」が気になる場合。

「厄除け」の本来の意味と心構え

「厄除け」は、単に災いを避けるためだけに行われるものではありません。厄年を人生の「デトックス期間」や「心身を整える時期」と捉え、日頃の感謝の気持ちを忘れずに、謙虚な気持ちで過ごすことが大切です。

厄除けの際の心構え:

  • 感謝の気持ち :無事に過ごせていることへの感謝を忘れない。
  • 健康管理 :無理をせず、体調管理に気を配る。
  • 謙虚な姿勢 :傲慢にならず、周りの人への配慮を忘れない。

厄除けは、 災いを避けるための「お守り」であると同時に、自分自身を見つめ直し、より良い人生を歩むための「きっかけ」 とも言えるでしょう。

「八方除け」と「厄除け」を実践する場所

「八方除け」や「厄除け」は、全国各地の神社やお寺で行われています。代表的な場所としては、

  • 八方除け :神奈川県 寒川神社
  • 厄除け
    • 東京都 浅草寺
    • 京都市 伏見稲荷大社
    • その他、地域に根差した神社仏閣

などがあります。ご自身の居住地や、縁のある場所、あるいはご利益があると評判の神社仏閣を選んで参拝するのが一般的です。

神社仏閣での祈祷やお祓いを受ける際には、事前の予約が必要な場合もありますので、事前に確認しておくとスムーズです。また、お守りを授かることも、日常的にご加護を願う有効な方法の一つです。

「八方除け」と「厄除け」、それぞれに独自の意味と目的があります。どちらか一方を選ぶ、あるいは両方を行うなど、ご自身の状況や考え方に合わせて、より良い選択をすることが大切です。どちらにしても、心穏やかに日々を過ごすための、古くから伝わる知恵なのです。

Related Articles: