「拍動」と「脈拍」、なんとなく同じような意味で使っていませんか? 実は、この二つには明確な違いがあります。本記事では、この「拍動と脈拍の違い」を分かりやすく解説し、私たちの体で起きていることへの理解を深めていきましょう。
拍動と脈拍:心臓の鼓動と血管の波
「拍動」とは、主に心臓が血液を送り出すために収縮・拡張する動きそのものを指します。これは心臓という臓器の生理的な活動です。一方、「脈拍」は、その心臓の拍動によって血管(特に動脈)が押され、波のように伝わる「ドキドキ」という感覚や、その回数を指します。つまり、拍動が原因で脈拍が生じると考えると分かりやすいでしょう。 この拍動と脈拍の違いを理解することは、自分の体の状態を知る上で非常に重要です。
- 拍動:心臓の収縮・拡張の動き
- 脈拍:拍動によって動脈に生じる波、またはその回数
例えば、運動をして心臓が一生懸命血液を送り出している状態が「拍動」です。そして、その拍動によって手首などで感じられる「ドクン、ドクン」という感覚や、1分間に何回その感覚があるかが「脈拍」なのです。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 拍動 | 心臓の動き |
| 脈拍 | 血管の波、またはその回数 |
心臓の「拍動」が作り出す「脈拍」
心臓は、私たちの体全体に血液を送り届けるポンプのような役割をしています。このポンプが動くとき、ギュッと縮んで(収縮)、また広がる(拡張)という動きを繰り返しています。この心臓の規則的な動きが「拍動」です。この拍動によって、心臓から送り出された血液が動脈を勢いよく流れていきます。その血液の勢いが血管の壁を押し広げることで、私たちは手首や首などで「ドクン」という脈を感じることができるのです。この脈を感じる場所が「脈拍」であり、その1分間の回数を測定することで、心臓がどれくらいのペースで動いているかを知ることができます。
- 心臓が収縮する(拍動)
- 血液が動脈に送り出される
- 動脈の壁が押され、波が生じる(脈拍)
- 脈拍の回数を数える
このように、拍動と脈拍は密接に関係しており、片方がなければもう片方は存在しません。心臓の拍動がなければ、血管に血液が流れず、脈拍を感じることもできないのです。
拍動と脈拍:健康状態を映し出す鏡
「拍動」と「脈拍」は、私たちの健康状態を知るための重要な手がかりとなります。普段、安静にしている時の脈拍は、健康な成人で1分間に60回から100回程度と言われています。しかし、運動したり、興奮したりすると、心臓はより多くの血液を必要とするため、拍動が速くなり、それに伴って脈拍も増加します。逆に、リラックスしている時や眠っている時は、拍動と脈拍は落ち着いています。このように、拍動や脈拍の速さやリズムが変化することは、体の活動状況や、時には体調の変化を教えてくれるサインなのです。
拍動と脈拍の測定方法
脈拍を測定することは、比較的簡単に行えます。最も一般的なのは、手首の内側にある橈骨動脈(とうこつどうみゃく)という血管の脈を指で触って数える方法です。人差し指、中指、薬指の3本を使い、軽く圧迫して脈を感じる場所を探します。または、首の横にある頸動脈(けいどうみゃく)でも脈拍を感じることができます。15秒間数えて4倍する、あるいは30秒間数えて2倍するなどの方法で、1分間の脈拍数を計算します。 正確な測定のためには、リラックスした状態で、複数回測定してみることが推奨されます。
- 手首(橈骨動脈)
- 首(頸動脈)
心臓の拍動そのものを直接測定することは医療機器がないと難しいですが、脈拍を測定することで、間接的に心臓の拍動の様子を把握することができるのです。
拍動と脈拍の正常値とは?
「拍動」と「脈拍」の正常値は、年齢や活動状況によって異なります。一般的に、成人の安静時の脈拍数は、1分間に60~100回です。しかし、これはあくまで目安であり、運動習慣のある人やアスリートなどは、より低い脈拍数を示すこともあります。乳幼児や子供は、大人よりも脈拍数が速い傾向にあります。また、不整脈など、脈拍のリズムが乱れている場合もあります。 日頃から自分の脈拍を意識し、普段と違うと感じたら、専門家に相談することも大切です。
| 年齢層 | 安静時脈拍数 (1分間あたり) |
|---|---|
| 乳児 (~1歳) | 100~160回 |
| 幼児 (1~5歳) | 80~120回 |
| 学童 (6~12歳) | 70~110回 |
| 成人 (13歳以上) | 60~100回 |
拍動と脈拍が速くなる・遅くなる理由
「拍動」と「脈拍」は、様々な要因でその速さが変化します。「拍動と脈拍の違い」を理解していると、これらの変化が体のサインだと気づきやすくなります。
-
速くなる要因:
- 運動
- 興奮、緊張、ストレス
- 発熱
- 脱水
- 貧血
- カフェインやアルコールの摂取
-
遅くなる要因:
- 休息、睡眠
- 冷え
- 特定の薬剤の影響
- 一部の病気
例えば、運動をした後に心臓の拍動が速くなり、脈拍も速くなるのは、体が必要とする酸素をより多く運ぶためです。発熱時には、体温を下げるために心臓が一生懸命働くため、拍動・脈拍ともに速くなります。逆に、低体温や、一部の病気では、心臓の働きが弱まり、拍動・脈拍が遅くなることがあります。
拍動と脈拍の異常とそのサイン
「拍動と脈拍の違い」を理解した上で、それらの異常に気づくことは、病気の早期発見につながる可能性があります。脈拍が速すぎる(頻脈)場合、動悸や息切れを感じることがあります。逆に、脈拍が遅すぎる(徐脈)場合、めまいや立ちくらみ、失神などを起こすことがあります。また、脈拍のリズムが不規則になる(不整脈)場合も、動悸や胸の違和感などを感じることがあります。
- 頻脈: 安静時でも脈拍が1分間に100回を超える状態。動悸、息切れ、めまいなどの症状が現れることがあります。
- 徐脈: 安静時でも脈拍が1分間に50回を下回る状態(ただし、アスリートなどでは正常な場合もあります)。めまい、ふらつき、失神、疲労感などの症状が現れることがあります。
- 不整脈: 脈拍のリズムが乱れている状態。ドキドキする、胸が締め付けられる、息苦しさなどを感じることがあります。
これらの異常が続く場合や、症状がひどい場合は、必ず医師に相談してください。
拍動と脈拍:日常生活での意識の持ち方
「拍動と脈拍の違い」を理解し、日頃から自分の体のサインに注意を払うことは、健康維持に役立ちます。特に、運動習慣がある人は、運動前後の脈拍を測ることで、その日の体調や運動の強度を把握することができます。また、ストレスを感じた時や、体調が優れないと感じた時に、一度脈拍を測ってみるのも良いでしょう。普段の自分の脈拍を知っておくことで、異常があった場合にすぐに気づくことができます。 規則正しい生活、バランスの取れた食事、適度な運動を心がけることが、健康な拍動と脈拍を保つ秘訣です。
拍動と脈拍は、私たちの命を支える大切な体の機能です。この二つの違いを理解し、日頃から自分の体と向き合うことで、より健康で充実した毎日を送ることができるでしょう。