「利益」と「収益」、この二つの言葉、ビジネスの世界ではよく耳にするけれど、その違いをはっきり説明できるでしょうか? 実は、この「利益 と 収益 の 違い」を理解することは、会社がどれだけ儲かっているかを知る上でとっても大切なんです。簡単に言うと、収益は「稼いだお金の総額」、利益は「そこから色々なお金を引いた後に残ったお金」のこと。この違いを知るだけで、ニュースなどで「売上は伸びたけど利益は減った」という言葉の意味が、もっと深く理解できるようになりますよ。

収益とは?稼いだお金の全体像

まず、収益(しゅうえき)について見ていきましょう。収益とは、会社が商品やサービスを提供することによって、お客様から受け取ったお金の合計額のことです。例えば、お店が商品を売って得たお金や、サービスを提供して得た料金などがこれにあたります。これは、いわば「売上高」のこと。会社がどれだけたくさん売れたか、どれだけ多くのお客様にサービスを使ってもらえたかを示す、いわば「頑張りの数字」と言えるでしょう。

収益には、いくつか種類があります。

  • 売上収益: 商品やサービスを売って得たお金。これが一番イメージしやすい収益ですね。
  • 営業外収益: 本業以外で得た収入。例えば、持っている土地を貸して家賃をもらったり、預金で利息を得たりすることです。

収益をしっかり把握することは、会社の活動がどれだけ活発か、どれだけ市場に受け入れられているかを知るための第一歩です。

収益について、もう少し具体的に見てみましょう。

  1. 売上高: 会社が主に事業で稼いだ金額。
  2. その他の収益: 利息収入や配当金など、本業以外の収入。

例えば、パン屋さんなら、パンを売って得たお金が売上収益。もし、そのパン屋さんが使っていない倉庫を貸して、そこから家賃が入ってきたら、それは営業外収益になります。

収益は、会社の規模や活動の広がりを示す指標です。

収益の種類
売上収益 商品の販売、サービスの提供
営業外収益 受取利息、受取配当金、土地の賃貸料

利益とは?稼いだお金から引かれるもの

次に、利益(りえき)についてです。利益は、収益から、その収益を得るためにかかった費用を差し引いた後に残った金額のことです。つまり、「純粋に会社に残った儲け」と言えます。

利益には、いくつかの段階があります。

  1. 売上総利益 (粗利): 売上収益から、売上原価(商品を仕入れるのにかかったお金や、作るのにかかった材料費・人件費など)を引いたもの。これは、商品やサービスそのものでどれだけ儲かったかを示します。
  2. 営業利益: 売上総利益から、さらに販売費や一般管理費(広告費、人件費、家賃、光熱費など、会社を運営するためにかかる費用)を引いたもの。これは、会社の本業でどれだけ儲かったかを示します。
  3. 経常利益: 営業利益に、営業外収益(さっき説明した本業以外で得た収入)を足して、営業外費用(支払利息など)を引いたもの。これは、会社が日常的に繰り返している活動全体での儲けを示します。
  4. 当期純利益: 経常利益に、特別利益(固定資産を売って得た一時的な利益など)を足して、特別損失(災害で損害を受けた場合など)や法人税などを引いたもの。これが、最終的に会社に残る「本当の儲け」です。

利益は、会社がどれだけ効率的に事業を行い、どれだけ儲けているかを具体的に示す、経営の成績表のようなものです。

売上総利益(粗利)について

売上総利益(うりあげそうりえき)、別名「粗利(あらり)」は、収益と利益の間の、最初のステップです。これは、売上高から、その商品を仕入れたり、作ったりするために直接かかった費用、つまり「売上原価(うりあげげんか)」を差し引いたものです。

売上総利益が大切なのには、いくつか理由があります。

  • 商品やサービスの価格設定が適切かどうかの判断材料になる: もし売上総利益が少ないなら、商品の値段が高すぎるか、仕入れ値が高すぎるのかもしれません。
  • 今後の価格戦略や仕入れ戦略を考えるヒントになる: 売上総利益を増やすためには、商品の値段を上げるか、仕入れ値を下げるかのどちらか、あるいは両方が必要になってきます。

例えば、100円で仕入れた商品を200円で売ったとすると、売上総利益は100円になります。この100円の中から、お店の家賃や店員さんのお給料などを払っていくことになるのです。

項目 内容
売上総利益 売上高 - 売上原価
売上原価 商品の仕入れ値、製造にかかった材料費・労務費など

営業利益とは?本業での儲けを知る

営業利益(えいぎょうりえき)は、会社の本業がどれだけ儲かっているかを示す、とても重要な利益です。これは、先ほど説明した売上総利益から、さらに「販売費及び一般管理費(はんばいひおよびいっぱんかんりひ)」と呼ばれる費用を差し引いて計算されます。

販売費及び一般管理費には、以下のようなものがあります。

  • 販売費: 商品を売るためにかかる費用。例えば、広告宣伝費、販売促進費、送料など。
  • 一般管理費: 会社を運営していくためにかかる費用。例えば、役員報酬、社員の給料、事務所の家賃、水道光熱費、通信費など。

営業利益をしっかり見ることで、会社が本業でどれだけ稼ぐ力があるのか、無駄な経費をどれだけ抑えられているのかが分かります。

営業利益の計算式は以下のようになります。

営業利益 = 売上総利益 - 販売費及び一般管理費

例えば、パン屋さんがパンを売って100万円の売上総利益を上げたとしましょう。そのパン屋さんの広告費が20万円、店員さんの給料が30万円、家賃が10万円だったとすると、販売費及び一般管理費は合計で60万円になります。この場合、営業利益は100万円 - 60万円 = 40万円となります。

経常利益とは?日常的な活動での儲け

経常利益(けいじょうりえき)は、会社が普段の事業活動、つまり「日常的に繰り返している活動」全体でどれだけ儲かったかを示す利益です。これは、営業利益に、本業以外で得た収入(営業外収益)を足し、本業以外でかかった費用(営業外費用)を引いて計算されます。

具体的に、営業外収益と営業外費用には、以下のようなものがあります。

  • 営業外収益: 会社の主な事業ではないけれど、定期的に入ってくるお金。例えば、持っている株から受け取る配当金や、銀行にお金を預けて得られる利息など。
  • 営業外費用: 会社の主な事業ではないけれど、定期的に出ていくお金。例えば、銀行からの借入金にかかる利息(支払利息)など。

経常利益は、会社が安定して儲けを出せる体質になっているかどうかを判断するのに役立ちます。

経常利益の計算式は以下のようになります。

経常利益 = 営業利益 + 営業外収益 - 営業外費用

例えば、ある会社が営業利益で500万円を稼ぎ、さらに保有している株式からの配当金で100万円の営業外収益を得たとしましょう。一方で、銀行から借りているお金の利息として50万円の営業外費用がかかったとします。この場合、経常利益は500万円 + 100万円 - 50万円 = 550万円となります。

当期純利益とは?最終的な儲け

当期純利益(とうきじゅんりえき)は、その会計期間(通常は1年間)で、会社が最終的にどれだけ儲かったかを示す、最も重要な利益です。これは、経常利益に、一時的な収入(特別利益)を足し、一時的な支出(特別損失)や、国に払う税金(法人税等)などをすべて差し引いて計算されます。

特別利益や特別損失は、毎年のように起こるものではなく、たまにしか発生しないものが多いです。

  • 特別利益: 例えば、使わなくなった工場などの土地や建物を売却して得た利益など、普段の事業活動では得られない一時的な大きな収入。
  • 特別損失: 例えば、自然災害で工場が壊れてしまったり、大きなトラブルで損害が発生したりした場合の損失など、予期せぬ大きな支出。

当期純利益は、株主への配当や、将来の事業への再投資などに使われるお金の元となる、まさに会社の「手元に残る本当の儲け」です。

当期純利益の計算は、最終段階になります。

当期純利益 = 経常利益 + 特別利益 - 特別損失 - 法人税等

例えば、経常利益が1000万円の会社が、古い設備を売却して200万円の特別利益を得たとしましょう。しかし、同時に大規模なリストラのために100万円の特別損失が発生したとします。さらに、これらの利益にかかる法人税などが300万円だったとします。この場合、当期純利益は1000万円 + 200万円 - 100万円 - 300万円 = 800万円となります。

利益と収益の違いを数字で見てみよう

ここで、具体的な数字を使って、利益と収益の違いをさらに明確にしてみましょう。ある架空の文房具屋さんの例で考えてみます。

項目 金額
売上収益(売上高) 1,000万円
売上原価(仕入れ代など) 600万円
販売費及び一般管理費(家賃、給料、広告費など) 200万円
営業外収益(受取利息など) 10万円
営業外費用(支払利息など) 20万円
特別利益(固定資産売却益など) 5万円
特別損失(災害損失など) 0円
法人税等 50万円

この文房具屋さんの場合、それぞれの利益は以下のようになります。

  • 売上総利益 (粗利) = 1,000万円 (売上収益) - 600万円 (売上原価) = 400万円
  • 営業利益 = 400万円 (売上総利益) - 200万円 (販売費及び一般管理費) = 200万円
  • 経常利益 = 200万円 (営業利益) + 10万円 (営業外収益) - 20万円 (営業外費用) = 190万円
  • 当期純利益 = 190万円 (経常利益) + 5万円 (特別利益) - 0円 (特別損失) - 50万円 (法人税等) = 145万円

このように、売上収益は1,000万円ですが、最終的な利益である当期純利益は145万円にしかなりません。これは、稼いだお金から、商品を仕入れるための費用、お店を運営するための費用、そして税金などが引かれるからです。

利益率とは?儲けの効率を見る

「利益率(りえきりつ)」という言葉もよく聞きますね。これは、収益に対して利益がどれくらいの割合で出ているかを示す指標です。つまり、稼いだお金のうち、どれだけが「儲け」として残ったか、その「効率」を見ることができます。

利益率を計算することで、以下のことが分かります。

  • 会社の収益性: 利益率が高いほど、効率よく儲けていると言えます。
  • 業界内での比較: 同じ業界の他の会社と比べて、自社の経営がうまくいっているかどうかの判断材料になります。
  • 改善点の発見: 利益率が低い場合、どこかの費用がかかりすぎているのか、あるいは単価が低すぎるのかなど、改善すべき点が見えてきます。

利益率には、先ほど説明した各利益段階に応じたものがあります。

利益率の種類 計算式
売上総利益率 (粗利率) 売上総利益 ÷ 売上収益 × 100 (400万円 ÷ 1,000万円) × 100 = 40%
営業利益率 営業利益 ÷ 売上収益 × 100 (200万円 ÷ 1,000万円) × 100 = 20%
経常利益率 経常利益 ÷ 売上収益 × 100 (190万円 ÷ 1,000万円) × 100 = 19%
当期純利益率 当期純利益 ÷ 売上収益 × 100 (145万円 ÷ 1,000万円) × 100 = 14.5%

利益率を見ることで、単に稼いだ金額だけでなく、どれだけ賢く、効率的に稼いでいるかが分かります。

利益率の理解は、ビジネスの健全性を測る上で非常に役立ちます。

  1. 売上総利益率: 商品やサービス自体の儲かる力を示します。
  2. 営業利益率: 本業でどれだけ儲ける力があるかの指標です。
  3. 経常利益率: 安定した経営ができているかを表します。
  4. 当期純利益率: 最終的にどれだけ儲けられたかの効率です。

これらの利益率を定期的にチェックすることで、会社の経営状況をより深く理解することができます。

まとめ:利益と収益、どちらも大切!

ここまで、「利益 と 収益 の 違い」について、それぞれの意味や計算方法、そしてその重要性について詳しく見てきました。収益は「稼いだお金の総額」、利益は「そこから費用を差し引いた残りの儲け」。この二つは、会社の健康状態を示す上で、どちらも欠かせない指標です。収益が上がっていても、それ以上に費用がかかっていたら、利益は減ってしまいます。逆に、収益がそこそこでも、費用をしっかり抑えられれば、利益は大きく増えることもあります。

ビジネスを理解する上で、「利益 と 収益 の 違い」をしっかり押さえておくことは、ニュースを読んだり、会社選びをしたりする際にも、きっと役に立つはずです。これらの基本をマスターして、ビジネスの世界をもっと楽しんでいきましょう!

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