「足をひねっちゃった!」そんな時、痛みや腫れがあると「捻挫かな?それとも骨折?」と不安になりますよね。この二つのケガ、見た目や痛みが似ていることもありますが、その原因や治し方には大きな違いがあります。今回は、そんな捻挫と骨折の違いについて、わかりやすく解説していきます。

関節の「靭帯」と「骨」のダメージ:根本的な違い

捻挫と骨折の最も大きな違いは、ダメージを受けている組織です。捻挫は、主に足首や手首などの関節で、関節を支えている「靭帯(じんたい)」が伸びたり、部分的に切れたりするケガです。一方、骨折は、文字通り「骨」そのものが折れたり、ひびが入ったりするケガを指します。

この違いによって、痛みの種類や腫れの度合い、そして治るまでの期間も大きく変わってきます。 正確な診断を受けることが、適切な治療への第一歩です。

  • 捻挫: 靭帯の伸び・部分断裂
  • 骨折: 骨のひび・完全断裂

例えば、捻挫の場合は「グキッ」とした感覚や、関節の不安定感を感じることが多いのに対し、骨折の場合は「バキッ」という音や、骨がずれるような感覚、そして骨折した箇所を直接触ると強い痛みが走ることがあります。

症状の比較:どう違う?

捻挫と骨折では、現れる症状にも違いがあります。もちろん、ケガの程度によって個人差はありますが、一般的な目安として知っておくと良いでしょう。

  • 痛み:
    • 捻挫:ズキズキとした痛み、動かすと痛む
    • 骨折:鋭い痛み、触れるだけでも激痛
  • 腫れ:
    • 捻挫:打撲による腫れ、内出血を伴うことも
    • 骨折:骨折部周辺の広範囲な腫れ
  • 見た目の変化:
    • 捻挫:関節の変形は少ない
    • 骨折:骨の曲がりやずれが見られることがある

ただし、これらの症状はあくまで目安です。例えば、軽度の骨折だと捻挫と区別がつきにくい場合もありますし、重度の捻挫でも強い腫れや痛みを伴うことがあります。そのため、自己判断は危険です。

原因:どうして起こる?

捻挫と骨折の原因も、似ているようで少し異なります。どちらも、関節や骨に想定以上の力が加わることで発生しますが、その力のかかり方に違いがあります。

捻挫の主な原因としては、以下のようなものが挙げられます。

  1. 関節の不自然な動き: 足首を内側にひねる(内反捻挫)など、関節が本来あるべきでない方向に無理に曲げられてしまう。
  2. 着地の失敗: ジャンプからの着地で足首がぐらつく。
  3. 急な方向転換: スポーツ中に素早く方向を変えようとした時。

一方、骨折の原因としては、

  • 強い衝撃: 交通事故や高い場所からの転落など、骨に直接的な強い力が加わった場合。
  • 転倒: 特に高齢者など、骨が弱くなっている場合に、比較的軽い転倒でも骨折に至ることがあります。
  • 繰り返し加わるストレス: ランニングなどで同じ部位に繰り返し負担がかかり、微細なひびが入る「疲労骨折」。

このように、捻挫は関節の「ひねり」や「ずれ」によって靭帯に負担がかかるのに対し、骨折は骨そのものに直接的な強い力が加わることで発生することが多いです。

痛みの強さ:どちらが痛い?

「どっちのほうが痛い?」と聞かれると、一概には言えません。なぜなら、ケガの程度によって痛みの強さは大きく変わるからです。しかし、一般的には、骨折の方がより強い痛みを伴うことが多いと言われています。

骨折の場合、骨が折れたりひびが入ったりすることで、神経が直接刺激されるため、非常に鋭い痛みが走ります。また、骨折した部位を動かすことが不可能になるほどの激痛を感じることも珍しくありません。

対して捻挫の痛みは、靭帯の損傷による炎症や、それに伴う腫れによって引き起こされます。軽度の捻挫であれば、歩くのが少し辛い程度で済むこともありますが、重度の捻挫になると、骨折に匹敵するような強い痛みを伴うこともあります。

ここで、痛みの感じ方の違いをまとめると以下のようになります。

ケガの種類 痛みの特徴 痛みの強さ(目安)
捻挫 ズキズキ、ジンジンする痛み。動かすと痛む。 軽度〜重度(骨折に匹敵することもある)
骨折 鋭い痛み。触れるだけでも激痛。 中程度〜重度

もし、非常に強い痛みを感じる場合は、念のため骨折を疑って医療機関を受診することをおすすめします。

腫れと内出血:見た目の違い

腫れや内出血も、捻挫と骨折を見分ける手がかりになります。しかし、これらもケガの程度によって大きく異なります。

捻挫の場合、関節の周りの血管が傷つくことで腫れや内出血が起こります。特に足首の捻挫でよく見られる「アザ」は、内出血によるものです。腫れは、ケガをした箇所を中心に起こることが多いです。

骨折の場合も、骨折した箇所やその周辺で腫れや内出血が起こります。骨折の仕方によっては、広範囲にわたって腫れたり、皮膚の下で出血が広がったりすることもあります。また、骨が皮膚を突き破る「開放性骨折」の場合は、見た目にも明らかな異常が見られます。

腫れや内出血の出方には、以下のような傾向があります。

  • 捻挫:
    • 腫れ:ケガの箇所を中心に、比較的限定的
    • 内出血:アザになることが多い
  • 骨折:
    • 腫れ:骨折部位とその周辺に広範囲に及ぶことも
    • 内出血:範囲が広く、皮膚の下で広がることも

ただし、これらの見た目の変化だけで判断するのは難しい場合が多いです。例えば、重度の捻挫で広範囲に内出血が起こることもありますし、逆に軽度の骨折では腫れや内出血があまり目立たないこともあります。

応急処置:まずは何をすべき?

どちらのケガでも、応急処置は非常に大切です。まずは落ち着いて、以下の「RICE処置」を試みましょう。

  1. Rest(安静): ケガをした部分を動かさないようにしましょう。
  2. Ice(冷却): 氷のうなどで、ケガをした部分を冷やします。15〜20分冷やし、30分〜1時間休む、というのを繰り返します。
  3. Compression(圧迫): 包帯などで軽く圧迫することで、腫れを抑えます。
  4. Elevation(挙上): ケガをした部分を心臓より高く保つことで、血流を良くし、腫れを軽減させます。

これらの処置は、捻挫でも骨折でも有効です。ただし、骨折が疑われる場合は、無理に動かさず、速やかに医療機関を受診することが最優先です。

診断と治療:専門家による判断が鍵

捻挫と骨折の最終的な診断と治療は、医師が行います。症状を聞いたり、患部を触診したりするだけでなく、レントゲン検査やCT検査などを行い、骨の状態を詳しく調べます。

  • 捻挫の治療:
    • 軽度:安静、冷却、固定(テーピングやサポーター)、リハビリ
    • 重度:ギプス固定、手術(靭帯再建術など)
  • 骨折の治療:
    • 保存療法:ギプスや装具で固定し、骨が自然に癒合するのを待つ
    • 手術療法:プレートやネジなどで骨折部を固定する

自己判断で放置したり、間違った処置をしたりすると、ケガが悪化したり、後遺症が残ったりする可能性もあります。少しでも不安を感じたら、必ず医療機関を受診しましょう。

まとめ:正しい知識で、ケガに備えよう

捻挫と骨折は、どちらも関節や骨に起こるケガですが、その原因やダメージを受ける場所、そして治療法が異なります。今回解説した違いを理解しておくことで、いざという時に冷静に対処し、適切な処置をとることができるようになります。何よりも大切なのは、痛みが続く場合や、腫れがひどい場合、あるいは見た目に異常がある場合は、迷わず専門医に相談することです。正しい知識を身につけて、ケガに賢く備えましょう。

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