「国民健康保険」と「社会保険」、どちらも病気やケガで病院にかかった時に、医療費の負担を軽くしてくれる大切な制度ですよね。でも、この二つの違いって、実はよく分かっていないという人も多いのではないでしょうか? この記事では、そんな「国民健康保険と社会保険の違い」について、分かりやすく、そして詳しく解説していきます。

制度の基本:誰が加入するの?

まず、一番大切な「誰が加入するの?」という点から見ていきましょう。国が定めた法律に基づいて、日本に住むすべての人(外国人含む)は、何らかの公的医療保険に加入することが義務付けられています。そして、その公的医療保険は、大きく分けて「国民健康保険」と「社会保険」の2つに分けられます。この加入者の違いが、国民健康保険と社会保険の違いの根幹をなす部分と言えるでしょう。

「社会保険」は、もう少し細かく分けると、以下のようになります。

  • 被用者保険 :会社員や公務員などが加入する保険です。
    • 健康保険(中小企業の会社員など)
    • 共済組合(公務員など)
    • 船員保険(船員)
    • 私学共済(私立学校の教職員)

一方、「国民健康保険」は、以下の人たちが加入します。

  1. 自営業者やフリーランスの方
  2. 無職または年金受給者の方
  3. パート・アルバイトなどで、週の労働時間が20時間未満の方
  4. 海外に住んでいるが、日本国籍を持っている方(条件あり)

つまり、 働いている場所や雇用形態によって、どちらに加入するかが決まる という点が、国民健康保険と社会保険の最も大きな違いなのです。

保険料の決まり方

次に、保険料がどのように決まるのかを見ていきましょう。これも、国民健康保険と社会保険で違いがあります。

社会保険(被用者保険)の場合、保険料は一般的に、お給料(標準報酬月額)と賞与(標準賞与額)によって決まります。会社員の方は、毎月のお給料から保険料が天引きされているはずなので、実感しやすいかもしれませんね。保険料の約半分は会社が負担してくれるので、個人で負担する金額は、国民健康保険に比べて抑えられる傾向があります。

国民健康保険の場合、保険料は前年の所得や世帯の人数、加入者の年齢などによって計算されます。そのため、所得が高い世帯や、人数が多い世帯ほど、保険料は高くなる傾向があります。加入者自身で、お住まいの市区町村に保険料を納める必要があります。

制度 保険料の主な決まり方 負担割合(会社員の場合)
社会保険(被用者保険) 給与・賞与 本人と会社で折半
国民健康保険 前年の所得、世帯人数、年齢など 加入者本人

このように、保険料の計算方法や負担の仕方が異なることも、国民健康保険と社会保険の重要な違いと言えます。

給付内容の違い

病気やケガで病院にかかったときの「給付内容」にも、違いが見られます。どちらの制度も、医療費の自己負担額を軽減する「療養の給付」は共通していますが、それ以外の給付には差があります。

社会保険(健康保険)には、病気やケガで働けなくなったときに、生活を支えるための「傷病手当金」や、出産したときに受け取れる「出産手当金」といった、独自の給付制度が充実しています。これらの制度は、会社員の方の安心を支える上で、非常に大きな役割を果たします。

一方、国民健康保険にも、「高額療養費制度」や「出産育児一時金」といった、社会保険と同様の給付はありますが、傷病手当金のような所得保障の給付はありません。ただし、市区町村によっては、独自の助成制度を設けている場合もあります。

給付内容の充実度という点では、社会保険の方が手厚いと言えるでしょう。

加入・脱退の手続き

保険制度が変わるとき、つまり、国民健康保険から社会保険へ、またはその逆のケースで、加入・脱退の手続きが必要になります。この手続きも、国民健康保険と社会保険で違いがあります。

社会保険(健康保険)への加入・脱退は、基本的に会社が行ってくれます。入社したときや退職したときに、会社が手続きをしてくれるので、会社員の方はあまり意識する必要がないかもしれません。ただし、扶養家族がいる場合は、別途手続きが必要なこともあります。

国民健康保険への加入・脱退は、加入者自身が、お住まいの市区町村の窓口で行う必要があります。例えば、会社を退職して国民健康保険に加入する場合や、引っ越しをして国民健康保険の窓口が変わる場合などは、自分で手続きをしなければなりません。手続きを忘れると、保険証がなかったり、保険料を二重に払ってしまったりする可能性があるので、注意が必要です。

手続きの主体が「会社」か「本人」か、という点も、国民健康保険と社会保険の分かりやすい違いです。

運営組織の違い

国民健康保険と社会保険では、それぞれ運営している組織が異なります。この運営組織の違いも、制度の特性に影響を与えています。

社会保険(健康保険)は、主に「協会けんぽ(全国健康保険協会)」や「組合健保(健康保険組合)」といった、業種や企業規模ごとに設置された組織が運営しています。これらの組織は、加入している企業の事業主(会社)が中心となって運営されており、加入者へのサービス向上や、健康増進活動などを行っています。

一方、国民健康保険は、各市区町村が主体となって運営しています。そのため、お住まいの地域によって、保険料の料率や、受けられるサービスなどが若干異なることがあります。市区町村が保険者となるため、地域住民の健康を守るという視点が強く反映されています。

運営主体が、企業単位や業種単位の組織か、それとも地域(市区町村)か、という点も、国民健康保険と社会保険の明確な違いです。

まとめ:あなたに合った保険は?

ここまで、「国民健康保険と社会保険の違い」について、加入者、保険料、給付内容、手続き、運営組織といった様々な観点から解説してきました。どちらの保険制度にも、それぞれメリット・デメリットがあります。

会社員や公務員の方は、基本的に社会保険に加入することになります。一方、自営業をされている方や、パート・アルバイトで働く方などは、国民健康保険に加入することになります。 ご自身の働き方やライフスタイルに合わせて、どちらの保険制度に加入しているのか、そしてその制度がどのようなものであるかを理解しておくことは、将来の安心につながります。

もし、ご自身の保険制度についてさらに詳しく知りたい場合は、勤務先の担当者や、お住まいの市区町村の窓口に問い合わせてみてください。きっと、あなたの疑問を解決してくれるはずです。

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