「戸籍謄本(こせきとうほん)」と「戸籍抄本(こせきしょうほん)」、どちらも戸籍に関する書類ですが、一体何が違うのでしょうか?実は、 戸籍 謄本 と 抄本 の 違い は、記載されている内容の範囲にある のです。この違いを理解しておくと、必要な書類を間違えずに取得でき、手続きもスムーズに進みますよ。
戸籍謄本と戸籍抄本の全体像を掴もう!
まず、戸籍謄本と戸籍抄本は、どちらも「戸籍」という、日本国民の身分関係(出生、婚姻、死亡、親子関係など)を記録した公的な書類の一部を写し取ったものです。図書館で例えるなら、戸籍謄本が「図書館にある全ての蔵書リスト」、戸籍抄本が「特定の著者やジャンルの蔵書リスト」のようなイメージです。
戸籍謄本は、その戸籍に記載されている「全員」の情報を網羅しています。つまり、その戸籍に入っている人全員の、出生から死亡まで、そしてその間の身分関係の変動などがすべて記載されているのです。 この「全員の情報」が戸籍謄本の一番の特徴 と言えるでしょう。
一方、戸籍抄本は、戸籍に記載されている「一部」の人、または「特定の事項」だけを抜粋して写し取ったものです。例えば、「私だけ」の情報が欲しい、という場合に取得するのが戸籍抄本になります。取得したい人の名前を特定して、その人に関する情報だけを抜き出すイメージです。
- 戸籍謄本:戸籍に記載されている全員の情報
- 戸籍抄本:戸籍に記載されている一部の人、または特定の事項に関する情報
戸籍謄本は「全部入り」!
戸籍謄本は、文字通り「謄(うつ)」した「本」であり、原本の内容をそのまま写し取ったものです。この「そのまま」というのがポイントで、戸籍に記載されているすべての事項が、記載順序通りに写し取られています。そのため、戸籍謄本を取得すると、その戸籍に属する人たちの情報がまとめて確認できるのです。
具体的には、以下のような情報が含まれています。
- 戸籍の筆頭者(戸籍の代表者)とその配偶者の氏名
- 子どもの氏名、出生、認知、養子縁組などの情報
- 婚姻、離婚、転籍、転居などの身分関係の変動
- 死亡、隠蔽、失踪などの事項
戸籍謄本がなぜ「全部入り」なのかというと、例えば、ある戸籍に家族全員が載っている場合、その戸籍謄本には家族全員の氏名、続柄、生年月日、父母の名前、婚姻日、死亡日などの情報がすべて記載されているからです。 家族関係の証明や、相続手続きなどで「戸籍に載っている人全員」の情報を確認する必要がある場合に非常に役立ちます。
| 記載内容 | 戸籍謄本 |
|---|---|
| 記載範囲 | 戸籍に記載されている全員 |
| 証明力 | 戸籍に記載されている全情報(改製原戸籍を除く) |
戸籍抄本は「ピンポイント」!
戸籍抄本は、戸籍謄本から必要な情報だけを「抄(すく)う」ように抜き出したものです。したがって、戸籍謄本よりも記載されている情報量は少なくなります。これは、手続きによっては、戸籍に記載されている全員の情報まで必要ない場合があるからです。
例えば、「自分自身の身分関係」だけを証明したい場合、戸籍抄本を取得すれば十分です。戸籍謄本だと、自分以外の家族の情報まで記載されていますが、戸籍抄本では自分の情報だけが抜粋されているため、プライバシーの面でも配慮されています。
戸籍抄本を取得する際には、誰の情報を取得したいのかを明確にする必要があります。一般的には、「氏名」と「生年月日」を指定して取得します。もし、夫婦のどちらかの情報だけが必要な場合は、その対象者の名前を指定して取得することになります。
- 戸籍抄本:記載されている人の中から、指定した人、または指定した事項のみを抜粋
- 取得例:自分自身の出生から婚姻までの情報、子供の出生情報など
どんな時にどっちが必要?
では、具体的にどのような場面で戸籍謄本と戸籍抄本のどちらが必要になるのでしょうか。これは、手続きの目的によって異なります。
戸籍謄本が必要になる代表的な例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 相続手続き: 亡くなった方の遺産を相続する際、相続人全員の関係性を証明するために、戸籍謄本が必要になることが多いです。これにより、誰が相続人になるのかを正確に把握できます。
- 遺産分割協議: 相続人全員が確認できた上で、遺産をどのように分けるかを話し合う際にも、戸籍謄本で相続人全員を特定します。
- 親族関係の証明: 広範な親族関係を証明する必要がある場合。
一方、戸籍抄本で足りるケースとしては、以下のようなものがあります。
- 婚姻手続き: 結婚する際に、本籍地の市区町村役場に提出するために、自分自身の身分関係を証明するために戸籍抄本(または戸籍謄本)が必要になります。
- パスポートの申請: 自分自身の身分を証明するために必要です。
- 各種契約手続き: 銀行口座の開設や不動産の登記など、個人の身分を証明する際に使用されます。
- 氏名の変更手続き: 自分の氏名に関する事項のみを証明したい場合。
基本的には、「自分自身」や「特定の家族」の情報だけで足りる場合は戸籍抄本、戸籍に記載されている「全員」の関係性を証明する必要がある場合は戸籍謄本 、と覚えておくと良いでしょう。
| 手続き | 必要な書類 | 理由 |
|---|---|---|
| 相続手続き | 戸籍謄本 | 相続人全員の関係性を証明するため |
| 婚姻手続き | 戸籍抄本 | 自分自身の身分関係を証明するため |
| パスポート申請 | 戸籍抄本 | 自分自身の身分を証明するため |
取得方法と手数料の違い
戸籍謄本と戸籍抄本の取得方法自体に大きな違いはありません。どちらも、本籍地の市区町村役場、または郵送、オンライン(一部自治体)で申請・取得することができます。ただし、取得できる「支所」や「出張所」では、謄本・抄本のどちらか一方しか発行できない場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。
手数料についても、一般的には戸籍謄本と戸籍抄本で異なります。一般的に、戸籍謄本の方が記載されている情報量が多い分、戸籍抄本よりも手数料が高めに設定されています。例えば、1通あたり450円(戸籍抄本)と750円(戸籍謄本)といった料金体系が一般的ですが、自治体によって多少の差があります。
正確な手数料は、必ず本籍地の市区町村役場のウェブサイトや窓口で確認するようにしましょう。
以下は、一般的な手数料の例です。
- 戸籍抄本(一部事項証明書):450円
- 戸籍謄本(全部事項証明書):750円
「全部事項証明書」と「一部事項証明書」って何?
最近では、窓口で「戸籍謄本」や「戸籍抄本」という言葉よりも、「全部事項証明書」や「一部事項証明書」という名称で案内されることが多くなっています。これは、以前の「戸籍謄本」「戸籍抄本」に相当する書類です。
「全部事項証明書」が、かつての「戸籍謄本」にあたり、戸籍に記載されている全員の情報を証明するものです。一方、「一部事項証明書」が、かつての「戸籍抄本」にあたり、戸籍に記載されている情報のうち、必要な一部の事項だけを証明するものです。
したがって、 「全部事項証明書」=「戸籍謄本」、「一部事項証明書」=「戸籍抄本」 と理解しておけば間違いありません。役所の窓口で書類を依頼する際は、この名称で依頼することが多いでしょう。
まとめ:迷ったら、どちらが良い?
ここまで、戸籍謄本と戸籍抄本の違いについて詳しく見てきました。どちらが必要か迷った場合は、まず 「誰の」「どのような情報」が必要なのか を明確にすることが大切です。
もし、相続人の確認など、戸籍に記載されている人全員の関係性を証明する必要がある場合は、戸籍謄本(全部事項証明書)を選びましょう。一方、結婚やパスポート申請など、自分自身の情報だけで十分な場合は、戸籍抄本(一部事項証明書)で問題ありません。
もし、それでも迷う場合は、手続き先の担当部署や窓口に「どのような目的で、どの範囲の情報が必要か」を具体的に伝え、どちらの書類が必要か確認することをおすすめします。無駄な書類取得を防ぎ、スムーズに手続きを進めることができますよ。
「戸籍 謄本 と 抄本 の 違い は」を理解して、かしこく書類を取得しましょう!
最終的に、戸籍謄本と戸籍抄本のどちらを選ぶかは、その用途によって決まります。しかし、この違いを理解することで、必要な書類を迷わず取得し、各種手続きをスムーズに進めることができるようになります。もし不明な点があれば、遠慮なく役所の担当者に確認するようにしましょう。