企業の「儲け」を表す指標にはいくつかありますが、中でも「営業利益」と「経常利益」はよく耳にする言葉です。この二つの違いを理解することは、企業の健康状態を把握するためにとても重要です。今回は、そんな「営業利益」と「経常利益」の「違い」について、分かりやすく解説していきます。
営業利益とは?本業の稼ぐ力を測る基本
まず、営業利益について見ていきましょう。営業利益は、企業が本業でどれだけ儲けているかを示す指標です。簡単に言うと、「商品やサービスを売って、そこからかかった経費を引いた残りの金額」のことです。例えば、お店でTシャツを1枚1000円で売って、そのTシャツを作るのに500円かかったとすると、1枚あたり500円が営業利益になります。
この営業利益をしっかり理解することは、その企業が本業でしっかり稼げる力を持っているかを見極める上で、非常に大切です。 もし、本業で儲けが出ていないのに、他の収入で利益をカバーしているとしたら、その企業の将来は少し心配かもしれません。
- 売上高
- 売上原価
- 販売費及び一般管理費
これらを差し引いて計算されます。
経常利益とは?営業利益にプラスアルファの儲けを加えたもの
次に、経常利益です。経常利益は、営業利益に加えて、企業が本業以外で普段から得ている利益(または損失)を足し引きしたものです。例えば、銀行にお金を預けて得られる利息や、借金をして支払う利息などがこれにあたります。つまり、営業利益よりも、もう少し広い範囲での「普段の儲け」を表していると言えます。
経常利益の計算式は、以下のようになります。
- 営業利益
- 営業外収益(受取利息、受取配当金など)
- 営業外費用(支払利息、割引料など)
これらを計算すると、経常利益が出てきます。
営業利益と経常利益の「違い」を整理しよう
ここで、営業利益と経常利益の「違い」を改めて整理してみましょう。
| 指標 | 何を見ているか | 計算のポイント |
|---|---|---|
| 営業利益 | 本業での稼ぐ力 | 売上から原価と販売管理費を引く |
| 経常利益 | 本業+普段の財務活動による儲け | 営業利益に営業外収益・費用を加減する |
つまり、営業利益は「本業の体力」、経常利益は「普段のお財布事情も含めた総合的な儲け」と考えると分かりやすいかもしれません。
なぜ「営業利益」が重要視されるのか?
営業利益は、企業の「本業での稼ぐ力」を直接的に示しています。この力が強い企業は、たとえ一時的に景気が悪くなったり、予期せぬ出費があったりしても、本業でしっかり利益を上げられるため、経営が安定しやすい傾向にあります。投資家などが企業の価値を判断する際にも、この営業利益は非常に重要な指標の一つとして注目されます。
営業利益を分析する際は、以下の点に注目すると良いでしょう。
- 過去数年間の営業利益の推移
- 同業他社との比較
- 売上高に対する営業利益率(営業利益 ÷ 売上高)
「営業外損益」とは?経常利益を左右する要素
経常利益を計算する上で重要になるのが「営業外損益」です。これは、企業の主たる営業活動以外の活動で生じる利益や損失のことです。例えば、銀行からの借入金に対する利息(支払利息)は「営業外費用」となり、経常利益を減らす要因になります。逆に、保有している株式から得られる配当金(受取配当金)や、預金から得られる利息(受取利息)は「営業外収益」となり、経常利益を増やす要因となります。
営業外損益には、以下のようなものがあります。
- 受取利息
- 受取配当金
- 支払利息
- 社債発行費
「特別損益」と「当期純利益」:さらに深く企業を見る
経常利益よりもさらに最終的な利益を表すのが「当期純利益」です。当期純利益は、経常利益から「特別損益」を差し引き、さらに法人税などを差し引いた、会社に残る最終的な利益のことです。特別損益というのは、普段の営業活動や財務活動とは関係なく、一時的に発生する大きな利益や損失のこと。例えば、工場を売却したときの利益や、災害による損失などがこれにあたります。
当期純利益を理解するために、以下の要素も知っておきましょう。
- 特別利益:固定資産売却益、投資有価証券売却益など
- 特別損失:固定資産売却損、災害による損失など
- 法人税、住民税及び事業税
「営業利益率」で企業の効率性をチェック!
営業利益率とは、売上高に対して営業利益がどれくらいの割合かを示す指標です。計算式は「営業利益 ÷ 売上高 × 100」です。この数字が高いほど、企業が本業で効率よく利益を上げていることを意味します。例えば、同じ100万円の売上でも、営業利益率が10%の企業は10万円の利益ですが、20%の企業は20万円の利益となります。どちらの企業がより効率的に事業を行っているか、一目瞭然ですね。
営業利益率を分析する上で、以下の点が役立ちます。
- 業界平均との比較
- 過去の推移
- 高ければ高いほど良い
「経常利益率」は企業全体の収益力を示す
経常利益率も、営業利益率と同様に、企業の収益力を測るための重要な指標です。計算式は「経常利益 ÷ 売上高 × 100」です。営業利益率が本業の稼ぐ力を表すのに対し、経常利益率は、本業に加えて、利息の受け取りや支払いを考慮した、企業全体の普段の収益力を示しています。この数字を見ることで、企業がどれだけ安定して利益を生み出しているかを知ることができます。
経常利益率を理解するために、以下の点も押さえておきましょう。
- 営業利益率との比較
- 借入金の多い企業は低くなる傾向がある
- 安定した企業は高い経常利益率を維持する
まとめ:数字から企業の「健康状態」を読み取ろう
「営業利益」と「経常利益」の違い、そしてそれらが企業の経営状況をどのように示しているのか、理解できたでしょうか? 営業利益は本業の力、経常利益はそれに財務活動を加えた普段の儲けを表します。これらの数字を理解することで、企業の「健康状態」をより正確に把握し、賢い投資やビジネス判断ができるようになります。ぜひ、企業の決算書などでこれらの数字をチェックしてみてください。