不動産を担保にお金を借りる際によく耳にする「根抵当権(ねていとうけん)」と「抵当権(ていとうけん)」。この二つの違い、実は意外と知らない方も多いのではないでしょうか。今回は、そんな 根抵当権と抵当権の違い について、分かりやすく解説していきます。

根抵当権と抵当権、それぞれの特徴を理解しよう

まずは、それぞれの権利がどのようなものなのか、基本的な特徴を見ていきましょう。 根抵当権と抵当権の違い を理解する上で、この基礎知識はとても重要です。

  • 抵当権 :特定の借金(例えば、住宅ローンなど)に対して設定される権利です。借金が完済されれば、抵当権も消滅します。
  • 根抵当権 :将来発生するかもしれない、不特定の借金(例えば、事業資金の融資枠など)に対して設定される権利です。一定の上限額(極度額)が定められています。

この「特定の借金」か「不特定の借金」か、という点が、 根抵当権と抵当権の違い の大きなポイントとなります。

具体例で考えてみましょう。

  1. 抵当権の場合 :Aさんが銀行から1000万円の住宅ローンを借りて家を建てた。この場合、その1000万円のローンに対して抵当権が設定されます。もしAさんがローンの返済を終えれば、抵当権はなくなります。
  2. 根抵当権の場合 :Bさんが事業のため、銀行と「最高1億円まで」という融資枠の契約を結んだ。この場合、その1億円の範囲内で、何度でもお金を借りたり返したりできることになり、その都度、根抵当権が担保として機能します。

このように、 根抵当権と抵当権の違い は、担保となる債権(お金の借り入れ)の範囲にあります。

根抵当権のメリット・デメリット

根抵当権は、その柔軟性から多くのメリットがありますが、一方で注意すべき点もあります。 根抵当権と抵当権の違い を理解する上で、根抵当権の特性を深く知ることが役立ちます。

根抵当権の主なメリットは、以下の通りです。

メリット 説明
取引の継続性に強い 事業資金のように、融資が継続的に行われる場合に便利です。都度、抵当権を設定し直す手間が省けます。
設定・抹消の手間が少ない 一度設定すれば、その範囲内での増額や借入・返済が容易で、登記手続きの回数を減らすことができます。

しかし、デメリットも存在します。

  • 極度額の設定が重要 :将来の借入額を正確に予測し、適切な極度額を設定する必要があります。高すぎると無駄な登録免許税がかかり、低すぎると担保として機能しなくなる可能性があります。
  • 抵当権よりも複雑 :根抵当権は、抵当権よりも少し仕組みが複雑なため、専門家(弁護士や司法書士)への相談が推奨されます。

根抵当権と抵当権の違い を理解し、ご自身の状況に合った方を選ぶことが大切です。

抵当権のメリット・デメリット

一方、抵当権はよりシンプルで分かりやすい権利と言えます。 根抵当権と抵当権の違い を対比させることで、それぞれの特性がより鮮明になります。

抵当権の主なメリットは以下の通りです。

  1. 明確な担保対象 :どの借金に対して担保が設定されているかが明確です。
  2. 手続きが比較的シンプル :根抵当権に比べて、設定や抹消の手続きが分かりやすい傾向があります。

デメリットとしては、以下の点が挙げられます。

  • 再融資の度に手間がかかる :一度返済が終わった借金について、再度融資を受ける際には、再度抵当権の設定が必要になります。
  • 担保の範囲が限定的 :あくまで設定された特定の借金のみが担保となるため、追加の融資には対応できません。

根抵当権と抵当権の違い を理解することで、どちらの権利がご自身のニーズに合っているか判断しやすくなります。

根抵当権と抵当権の担保となる債権の範囲

根抵当権と抵当権の違い を最も端的に表すのが、担保となる債権(借金)の範囲です。

抵当権は、特定の借金に対して設定されます。例えば、「〇〇銀行からの1000万円の融資」というように、具体的に金額や目的が定まった借金にのみ抵当権が及びます。

一方、根抵当権は、将来発生する可能性のある、不特定の債権を包括的に担保します。ここでのポイントは、「一定の範囲」と「極度額」です。

  • 取引の範囲 :例えば、「甲銀行との間の貸金等」といったように、ある程度の範囲が定められます。
  • 極度額 :その範囲内で、上限となる金額(極度額)が設定されます。この極度額までは、何度でも担保の効力が及びます。

この、 根抵当権と抵当権の違い による債権の範囲の広さが、それぞれの権利の使い分けに大きく影響します。

根抵当権と抵当権の担保設定のタイミング

根抵当権と抵当権の違い は、担保を設定するタイミングや、その後の手続きにも影響します。

抵当権は、通常、特定の借金が発生した時点、つまりお金を借りた時に設定されます。そして、その借金が完済されれば、抵当権は消滅します。

根抵当権は、将来の継続的な取引を想定して設定されるため、特定の借金が発生する前、あるいは融資枠を設定する段階で設定されることが多いです。そして、極度額までであれば、借入と返済を繰り返しても、根抵当権は自動的に消滅せず、継続して担保として機能します。

この、 根抵当権と抵当権の違い による担保設定のタイミングは、事業を行う上での資金調達の柔軟性に大きな関わりがあります。

根抵当権と抵当権の抹消手続き

根抵当権と抵当権の違い は、権利を抹消する際の手続きにも表れます。

抵当権は、借金が完済されれば、その抵当権は原則として消滅します。抹消手続きは、完済証明書などを添付して、法務局に登記を申請することになります。

根抵当権の場合、抹消は、原則として「元本が確定」してからとなります。元本確定とは、根抵当権で担保されている借金の金額が確定することです。事業の終了や、借入がなくなった場合などに、債務者(借りている側)または債権者(貸している側)が元本確定の手続きを行うことで、根抵当権は通常の抵当権と同じように、抹消登記の対象となります。

この、 根抵当権と抵当権の違い による元本確定の有無が、抹消手続きの複雑さに影響します。

まとめ:どちらを選ぶべきか?

ここまで、 根抵当権と抵当権の違い について詳しく見てきました。どちらの権利が優れているということはなく、それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自身の状況に合わせて選択することが大切です。

例えば、住宅ローンなど、一度で完済されることが分かっている借金であれば、抵当権がシンプルで分かりやすいでしょう。一方、事業資金の融資枠のように、継続的に借入と返済を繰り返す可能性がある場合には、根抵当権の方が手続きの手間が省け、効率的と言えます。

根抵当権と抵当権の違い をしっかりと把握し、賢く不動産担保を活用しましょう。

不動産担保の設定は、人生における大きな決断の一つです。専門家のアドバイスも参考にしながら、ご自身にとって最適な選択をしてください。

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