「尿路結石」と「尿管結石」、この二つはしばしば混同されがちですが、実は「尿路結石」はより広い範囲を指す言葉であり、「尿管結石」はその一部なのです。この違いを理解することは、症状の把握や適切な対応のために非常に重要です。本記事では、尿路結石と尿管結石の違いについて、分かりやすく解説していきます。

「尿路結石」という大きな枠組みと「尿管結石」という具体的な場所

まず、大前提として「尿路結石」とは、腎臓、尿管、膀胱、尿道のいずれかに石ができる病気の総称です。一方、「尿管結石」とは、その名の通り、尿管にできた結石のことを指します。つまり、尿管結石は尿路結石の一種であり、結石ができた「場所」によって呼び方が変わるのです。 この場所の違いを理解することが、症状の理解や治療法を選択する上で何よりも大切 となります。
  • 尿路結石の全体像
  • 尿管結石の具体的な位置

例えば、腎臓にできた石は「腎結石」と呼ばれ、膀胱にできた石は「膀胱結石」と呼ばれます。そして、これらの石が尿管に移動したり、最初から尿管にできたりしたものが「尿管結石」となるわけです。

症状も、結石ができた場所によって異なります。腎結石の場合は、初期にはあまり症状が出ないこともありますが、大きくなると鈍い痛みを感じることがあります。一方、尿管結石は、結石が尿管を塞ぐことで、激しい痛みを引き起こすことが多いのが特徴です。

結石のできる場所 一般的な呼び方
腎臓 腎結石
尿管 尿管結石
膀胱 膀胱結石

尿路結石ができる原因と種類

尿路結石ができる原因は一つではなく、様々な要因が複雑に絡み合っています。主な原因としては、体質、食生活、水分摂取不足、感染症などが挙げられます。

結石の種類もいくつかあり、それぞれ成分が異なります。代表的なものとしては、以下の3つが挙げられます。

  1. シュウ酸カルシウム結石 :最も一般的。ホウレンソウやチョコレートなどに多く含まれるシュウ酸と、カルシウムが結合してできます。
  2. リン酸カルシウム結石 :カルシウムとリン酸が結合してできます。
  3. 尿酸結石 :プリン体を多く含む食品(レバー、魚卵など)の摂りすぎや、アルコールの飲みすぎで体内の尿酸値が高くなることでできます。

これらの結石は、体質的にできやすい人もいれば、食生活の偏りによってできやすくなる人もいます。

症状の違い:どこに石があるかで痛みの種類も変わる

尿路結石の症状は、結石のできた場所によって大きく異なります。この違いを理解することで、早期発見や適切な対処につながります。

【腎結石の症状】

  • 初期は無症状のことが多い。
  • 結石が大きくなると、腰や背中に鈍い痛みを感じることがある。
  • 血尿が見られることもある。
  • 感染症を併発すると、発熱や悪寒を伴うこともある。

【尿管結石の症状】

  • 激しい痛みが特徴 。側腹部から下腹部にかけて、波のように襲ってくる痛みを「疝痛発作」と呼びます。
  • 吐き気や嘔吐を伴うことも多い。
  • 血尿が出やすい。
  • 頻尿や残尿感を感じることもある。

【膀胱結石の症状】

  • 残尿感や頻尿。
  • 排尿時の痛み。
  • 血尿。
  • 結石が膀胱の出口を塞ぐと、排尿困難になることもある。

診断方法:痛みの原因は?

尿路結石の診断は、症状の問診に加えて、いくつかの検査を組み合わせて行われます。痛みの原因が結石なのか、それとも他の病気なのかを正確に把握することが大切です。

主な診断方法としては、以下のものがあります。

  1. 尿検査 :血尿や尿中の結晶の有無などを調べます。
  2. 血液検査 :腎機能や尿酸値などを調べます。
  3. 画像検査
    • レントゲン検査 :結石の大きさや位置を把握するのに役立ちます。
    • 超音波検査(エコー) :腎臓や尿管の腫れ具合などを確認します。レントゲンに写りにくい結石も描出できることがあります。
    • CT検査 :結石の有無、大きさ、位置をより詳細に調べることができます。

これらの検査結果を総合的に判断し、結石の種類や大きさに応じた治療方針が決定されます。

治療法:石の大きさや場所で変わる

尿路結石の治療法は、結石の大きさ、場所、症状の程度によって様々です。まずは、自然に排出されるのを待つ保存的治療から、手術が必要な場合まであります。

【保存的治療】

  • 水分摂取 :1日2リットル以上の水分を摂り、尿量を増やして結石の排出を促します。
  • 薬物療法 :痛みを抑える鎮痛剤や、結石の排出を助ける薬などが処方されることがあります。
  • 食事療法 :結石の種類に応じた食事指導が行われます。

【体外衝撃波結石破砕術(ESWL)】

  • 体の外から特殊な装置で衝撃波を当て、結石を細かく砕き、自然な排出を促す方法です。
  • 比較的、小さめの結石や、体への負担が少ない場合に適しています。

【内視鏡手術】

  • 尿道や尿管から細い内視鏡を挿入し、レーザーなどで結石を砕いたり、直接取り除いたりする方法です。
  • 結石が大きい場合や、ESWLでは効果が期待できない場合に選択されます。

【開腹手術】

  • 現在では、ごく一部の特殊なケースを除いて、あまり行われません。

予防法:普段からできること

尿路結石は、一度経験すると再発しやすい病気です。日頃から予防に努めることが大切です。

予防の基本は、以下の3つです。

  1. 十分な水分摂取 :1日2リットルを目安に、こまめに水分を摂りましょう。特に夏場や運動後、入浴後は意識して水分補給をすることが大切です。
  2. バランスの取れた食事
    • シュウ酸カルシウム結石 の予防には、シュウ酸を多く含む食品(ほうれん草、タケノコ、チョコレートなど)の摂りすぎに注意しましょう。
    • 尿酸結石 の予防には、プリン体を多く含む食品(レバー、魚卵、ビールなど)を控えめにしましょう。
  3. 適度な運動 :適度な運動は、結石の予防につながると言われています。

また、汗をかきすぎないように注意したり、感染症を予防することも大切です。

まとめ:尿路結石と尿管結石の違いを理解して、健康な毎日を!

尿路結石と尿管結石の違い、そしてそれぞれについて理解は深まりましたでしょうか。「尿路結石」は病気の総称であり、「尿管結石」はそのうちの尿管にできた結石のこと。この違いを正しく理解することで、自身の体の異変に気づきやすくなります。もし、体に痛みや違和感を感じたら、迷わず医療機関を受診してください。早期発見・早期治療が、健康な毎日を取り戻すための鍵となります。

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