手紙を書くとき、一番最初に悩むのが書き出しですよね。「前略」と「拝啓」、どちらを使えばいいんだろう? そう思ったことはありませんか? この二つの言葉、実は手紙の相手や状況によって使い分ける、とっても大切なマナーなんです。今回は、この「前略 と 拝啓 の 違い」を分かりやすく解説します。

手紙の始まりを彩る「前略」と「拝啓」

「前略」と「拝啓」は、どちらも手紙の本文を始める前に書く挨拶の言葉です。でも、その使われ方には明確な違いがあります。簡単に言うと、「前略」は「前置きは省略しますね」という意味合いが強く、かしこまりすぎない、比較的親しい間柄で使われます。一方、「拝啓」は「敬意を込めて申し上げます」という意味で、目上の方や改まった内容の手紙にふさわしい、丁寧な表現です。

この使い分けを間違えると、相手に失礼な印象を与えてしまう可能性もあるので、注意が必要です。

  • 前略(ぜんりゃく)
    • 「前置きは省略します」という意味。
    • 相手への配慮や、本文に早く入りたい気持ちを表す。
    • 親しい友人、家族、同僚など、比較的カジュアルな相手に使う。
  • 拝啓(はいけい)
    • 「敬意を込めて申し上げます」という意味。
    • 相手を敬う気持ちを表す。
    • 目上の方、ビジネス関係者、改まった内容の手紙に使う。

例えば、友達にお誕生日カードを送るなら「前略」、会社の上司に送るお礼状なら「拝啓」が適切でしょう。どちらも、手紙の顔とも言える大切な部分なので、相手との関係性を考えて選びましょう。

「前略」が使われる場面:親しき中にも礼儀あり?

「前略」は、相手との距離が近いときに活躍します。例えば、久しぶりに連絡する友人や、普段からよく話す同僚に、近況報告やちょっとした用件を伝える手紙にはぴったりです。もちろん、親しい間柄だからといって、いきなり本文から書き始めてしまうのはNG。最低限の丁寧さは保ちたいものです。

「前略」を使うことで、相手も「あ、この手紙は気楽に読めるな」と感じてくれるでしょう。ですが、あまりにくだけすぎた表現は避け、あくまでも礼儀をわきまえた上での「親しさ」を表現することが大切です。

  1. 友人に近況報告

    「前略、元気にしてる? そっちは最近どう? 私は…」

  2. 同僚に頼み事

    「前略、〇〇さん、ちょっとお願いがあって連絡しました。来週の会議の資料、見せてもらえませんか?」

  3. 家族への手紙

    「前略、お父さん、お母さん、元気ですか? そちらはもう秋の気配かな?」

このように、「前略」は、相手に安心感を与えつつ、スムーズに本題に入れる便利な言葉なのです。

「拝啓」が持つ丁寧さ:尊敬の念を伝える

「拝啓」は、相手への尊敬の念を強く表したいときに使われます。「拝」には「うやうやしく」という意味があり、「啓」には「告げる」「申し上げる」という意味があります。つまり、「あなたに敬意を払って、これからお話しさせていただきます」という気持ちが込められているのです。

ビジネスシーンはもちろん、先生や恩師、親戚のおじさん、おばさんなど、自分よりも立場が上の方や、普段あまり交流のない方へ手紙を書く際には、「拝啓」を選ぶのが鉄則です。これにより、相手への敬意がしっかりと伝わり、丁寧な印象を与えることができます。

場面 適した書き出し
目上の方への手紙 拝啓
ビジネス関係者への手紙 拝啓
改まった内容の手紙 拝啓

「拝啓」から始まる手紙は、全体的に改まったトーンになりがちですが、その丁寧さが相手に安心感と信頼感を与えてくれます。手紙の内容がどんなに素晴らしいものでも、書き出しで台無しにしてしまうのはもったいないですよね。

「前略」と「拝啓」の結びの言葉について

「前略」と「拝啓」には、それぞれ対応する結びの言葉があります。これは、手紙の冒頭で述べた挨拶を締めくくる、大切なセットです。

「前略」を使った場合は、一般的に「草々(そうそう)」で結びます。「草々」は、「急いで書いたので、これで失礼します」という意味合いですが、これも「前略」と同様に、かしこまりすぎないニュアンスを含んでいます。

一方、「拝啓」を使った場合は、「敬具(けいぐ)」で結びます。「敬具」は、「敬意をもって、これで終わります」という意味で、「拝啓」の丁寧さを引き継ぐ、よりかしこまった表現です。

  • 前略 → 草々

    親しい間柄で、堅苦しくなく、でも最低限の礼儀は保ちたいときに。

  • 拝啓 → 敬具

    目上の方や、改まった内容の手紙で、丁寧さを重視したいときに。

この結びの言葉も、書き出しと同じように相手や状況に合わせて使い分けることが大切です。セットで覚えると、手紙の完成度がぐっと上がりますよ。

「前略」と「拝啓」の使い分け、迷ったときのヒント

「結局、どっちを使えばいいんだろう?」と迷ってしまったときは、いくつかヒントがあります。

  1. 相手との関係性を最優先に考える

    一番大切なのは、相手との関係性です。普段からタメ口で話せる相手なら「前略」、敬語で話す相手なら「拝啓」と考えると分かりやすいでしょう。

  2. 手紙の内容を考慮する

    お祝い事や感謝の気持ちを伝える手紙、ビジネス上の連絡など、手紙の内容によっても適切な書き出しは変わってきます。改まった内容なら「拝啓」、日常的な連絡なら「前略」が基本です。

  3. 迷ったら「拝啓」を選ぶのも手

    もしどうしても迷う場合は、少し丁寧すぎるかな? と思っても「拝啓」を選んでおけば、失礼になることはほとんどありません。相手への敬意を示すことができます。

もちろん、相手が「前略」で送ってきたからといって、こちらも必ず「前略」で返さなければいけない、というルールはありません。相手の状況や、自分の気持ちを素直に表現することが一番です。

「前略」と「拝啓」以外にもある書き出し

実は、「前略」や「拝啓」以外にも、手紙の書き出しで使われる言葉があります。例えば、「謹啓(きんけい)」は、「拝啓」よりもさらに丁寧でかしこまった表現です。目上の方への、特に重要な内容の手紙や、改まった儀礼的な手紙などに使われます。

また、「拝啓」の後に「〇〇様」と相手の名前を入れずに、「〇〇の候、皆様におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。」のように、時候の挨拶から始めることも一般的です。

  • 謹啓(きんけい)
    • 「拝啓」よりもさらに丁寧でかしこまった表現。
    • 儀礼的な手紙や、非常に丁寧な挨拶が必要な場合に。
    • 結びは「謹白(きんぱく)」または「敬白(けいはく)」を使います。
  • 時候の挨拶

    「拝啓」の代わりに、手紙を書く季節に合わせた挨拶から始める方法。

    • 例:「〇〇の候(こう)」「梅雨寒(つゆざむ)の候」など

これらの言葉を知っておくと、より状況に合った、洗練された手紙を書くことができるようになります。

「前略」と「拝啓」の使い分け、まとめ

「前略」と「拝啓」の使い分けは、相手への敬意や親しみを表現するための大切なマナーです。基本的には、親しい間柄なら「前略」、目上の方や改まった内容なら「拝啓」と覚えましょう。そして、それぞれに対応する結びの言葉「草々」と「敬具」もセットで使うことが大切です。

迷ったときは、相手との関係性や手紙の内容をじっくり考えてみてください。正しい言葉遣いは、相手にあなたの誠実さを伝える強力なツールとなります。この知識を活かして、素敵な手紙を書いてみてくださいね!

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