「受章」と「受賞」、どちらも何かを「もらう」という意味で使われることが多いですが、実はそれぞれ意味が異なります。この二つの言葉の 受章 と 受賞 の 違い を、それぞれの言葉がどのような場面で使われるのかを具体的に見ていきながら、分かりやすく解説していきます。
「受章」とは?栄誉ある「勲章」や「賞」を受け取ること
「受章」は、国や公的な機関から贈られる「勲章」や、それに準ずるような非常に名誉ある「賞」を受け取ることを指します。「〇〇勲章を受章する」「紺綬褒章を受章した」といった形で使われます。これは、長年の功績や社会への貢献が認められ、公的に表彰される場合に用いられる言葉です。単に何かをもらうというよりは、 その功績が公式に認められた証を受け取る 、というニュアンスが強いのが特徴です。
具体的には、以下のようなものが「受章」に該当します。
- 叙勲(じょくん):国家のために功績があった人に与えられる勲章
- 褒章(ほうしょう):善行や学術、芸術などの分野で功績があった人に与えられる賞
- 学士・修士・博士などの学位(これは厳密には「授与」ですが、功績として受け取る意味合いでは近いものがあります)
例えば、長年地域のために尽力された方が、その功績を称えられて叙勲される場合、「叙勲を受章する」と言います。これは、個人だけでなく、その人が所属する団体や地域にとっても誇りとなる出来事です。
「受賞」とは?様々な分野での「成果」を称えられたこと
一方、「受賞」は、より幅広い意味で使われます。文学賞、芸術賞、スポーツ賞、学術賞、さらには企業の賞など、様々な分野で優れた成果を上げた人が、その業績を称えられて贈られる賞を受け取ることが「受賞」です。「芥川賞を受賞する」「ノーベル賞を受賞する」「最優秀選手賞を受賞した」といった具合です。こちらは、 その分野における突出した才能や努力が認められた 結果として賞を得る、というニュアンスが強いです。
「受賞」の対象となる賞は、多岐にわたります。代表的なものをいくつか挙げてみましょう。
- 文学作品に対する賞(例:直木賞、芥川賞)
- 芸術分野の賞(例:アカデミー賞、カンヌ国際映画祭での賞)
- 学術研究に対する賞(例:ノーベル賞、朝日賞)
- スポーツにおける功績に対する賞(例:MVP、ゴールデングラブ賞)
- その他、企業や団体が独自に設ける賞
つまり、「受賞」は、個人の才能や努力、あるいはチームの成果などが評価され、賞という形で表される場合に広く使われる言葉なのです。
「受章」と「受賞」を分けるポイント:対象となる「賞」の種類
「受章」と「受賞」の最も大きな違いは、 受け取る「賞」の種類 にあります。公的な制度に基づいて、国家や社会への貢献を称える「勲章」やそれに類するものを「受章」、それ以外の様々な分野での功績や成果を称える賞を「受賞」と捉えると分かりやすいでしょう。
| 言葉 | 対象となる賞の例 | 主な意味合い |
|---|---|---|
| 受章 | 勲章、褒章 | 国家や社会への長年の功績、貢献 |
| 受賞 | 文学賞、芸術賞、スポーツ賞、学術賞など | 各分野での優れた成果、才能、業績 |
例えば、長年地元の発展に貢献し、その功績を称えられて叙勲された場合は「受章」となります。一方、素晴らしい小説を書いて芥川賞を受賞した場合は「受賞」となるわけです。このように、 どのような性質の賞を受け取るか が、言葉の使い分けの鍵となります。
「受章」と「受賞」のニュアンスの違い:公的な認知 vs. 専門分野での評価
「受章」は、その人の功績が 公的に、そして国民全体に広く認知される ような、より大きな意味合いを持っています。叙勲などを受けるということは、その人が社会に対してどれだけ貢献したかが、国によって正式に認められたということです。これは、個人の名誉であると同時に、その人の行動や生き方が社会の模範として示される側面もあります。
一方、「受賞」は、その人が属する 特定の専門分野やコミュニティ内での評価 に重きが置かれます。例えば、ある学術賞を受賞したということは、その研究分野における専門家たちからの高い評価を得たということです。もちろん、その成果が社会全体に影響を与えることもありますが、まずはその分野での卓越性が認められた、という点が強調されます。
- 受章: 広範な社会貢献、公的な顕彰
- 受賞: 専門分野での優れた成果、業界内での評価
このように、それぞれが持つ「評価の範囲」や「公の度合い」にも違いがあるのです。
「受章」と「受賞」の使われ方の具体例
では、実際にどのような場面で使われるのか、具体的な例を見てみましょう。
「受章」の例:
- 長年、地域医療に貢献してきた医師が、その功績を称えられて「旭日章を受章した」。
- 長年にわたり文化の発展に寄与してきた芸術家が、「文化勲章を受章した」。
- ボランティア活動に長年従事し、地域社会に多大な貢献をした人物が、「藍綬褒章を受章した」。
「受賞」の例:
- 高校野球で活躍し、チームを優勝に導いた選手が、「大会最優秀選手賞を受賞した」。
- 革新的な研究を発表した科学者が、「ノーベル賞を受賞した」。
- 新人作家が、その才能を認められ「文学新人賞を受賞した」。
これらの例からも、 「受章」はより重厚で公式な、社会貢献に焦点を当てたもの 、 「受賞」は特定の分野での活躍や成果に焦点を当てたもの であることが理解できるでしょう。
「受章」と「受賞」:それぞれの謙譲表現
どちらの言葉も、自分が受け取る側として話す際には、謙虚な姿勢を示す言葉遣いが大切です。例えば、「受章」の場合は、「この度、栄誉ある勲章を賜りました」といった表現があります。これは、勲章を「もらう」という直接的な表現を避け、より丁寧で感謝の気持ちを込めた言い方です。
「受賞」の場合も同様に、「この度の受賞にあたり、心より感謝申し上げます」といった表現が一般的です。賞を「もらった」と直接言うよりも、「受賞」という言葉を使い、その受賞に至るまでの周囲への感謝の気持ちを添えることで、より謙虚で品のある印象を与えます。
- 受章の謙譲表現: 「〜を賜る」
- 受賞の謙譲表現: 「〜にあたり、感謝申し上げます」
このように、言葉そのものの意味だけでなく、 どのような言葉遣いで表現するか も、その言葉が持つニュアンスを理解する上で重要になります。
まとめ:どちらも素晴らしい「栄誉」
「受章」と「受賞」は、その対象となる「賞」の性質や、評価される「功績」の範囲に違いがありますが、どちらもその人が成し遂げたことに対する 大変素晴らしい「栄誉」 であることに変わりはありません。それぞれの言葉が持つ意味を正しく理解し、適切に使い分けることで、より正確に、そして豊かに表現することができます。どちらの言葉が使われているかを聞いたとき、それがどのような意味合いでの「表彰」なのかを想像してみると、さらに言葉の世界が広がるはずです。