「妄想(もうそう)」と「せん妄(せんもう)」、どちらも「~そう」と付く言葉で、なんだか似ているように聞こえますよね。でも、実はこれらは全く違うものなんです。今回は、この 妄想 と せん妄 の 違い を、中学生にもわかるように、そして日常生活で役立つように、楽しく解説していきます!
「妄想」って、どんなもの?
「妄想」は、実際にはありえないことを、まるで現実のように信じ込んでしまう心の状態のことを言います。例えば、「誰かにずっと見張られている気がする」「自分は特別な力を持っている」といった考えが、頭から離れなくなってしまうのです。
妄想が起こる原因は様々ですが、ストレスが溜まっていたり、精神的な病気(統合失調症など)が関係していることがあります。でも、心配しすぎないでください。一時的なストレスで軽い妄想のような感覚になることもありますし、専門家の助けを借りれば改善していくことも多いのです。
ここで、妄想の特徴をまとめると、以下のようになります。
- 実際にはないことを信じ込む
- 考えに固執しやすい
- 原因は精神的なものが多い
「せん妄」って、どんなもの?
一方、「せん妄」は、脳の機能が一時的に低下したことによって起こる、意識や注意力の混乱のことです。突然、ぼーっとしてしまったり、落ち着きがなくなったり、見えないものが見えたり(幻覚)、実際にはないことを話したり(妄想)といった症状が現れます。
せん妄の大きな特徴は、 原因がはっきりしていることが多い という点です。例えば、
- 急な病気(肺炎、尿路感染症など)
- 手術の後
- 薬の副作用
- 脱水
- 睡眠不足
せん妄は、脳の働きが一時的に悪くなっている状態なので、原因を取り除いたり、治療を行ったりすることで、元の状態に戻ることが期待できます。しかし、高齢者の方や、もともと認知症のある方などは、せん妄をきっかけに認知機能が低下してしまうこともあるため、注意が必要です。
見分けるポイントは「原因」と「意識」
ここまでで、妄想とせん妄の基本的な違いは掴めてきたでしょうか? 妄想 と せん妄 の 違い を理解する上で、一番分かりやすいのは「原因」と「意識」のレベルです。
まず、「原因」ですが、
- 妄想 :はっきりとした体の原因がないことが多い。心理的な要因や、精神疾患などが関係している場合がある。
- せん妄 :体の病気、手術、薬、脱水など、 脳の機能低下を引き起こす明確な原因がある場合が多い 。
次に、「意識」のレベルです。
| 妄想 | 意識ははっきりしていることが多い。しかし、考えに囚われやすい。 |
|---|---|
| せん妄 | 意識がぼんやりしたり、混乱したりしている。注意力が散漫になる。 |
つまり、急にぼーっとしてしまったり、混乱した様子が見られたりする場合は、せん妄の可能性を疑った方が良いでしょう。一方、意識はしっかりしているけれど、妙なことを信じ込んでいる場合は、妄想の可能性が考えられます。
「妄想」の例を見てみよう
「妄想」は、私たちの想像力や思い込みが、少し現実離れしてしまった状態とも言えます。いくつか例を見てみましょう。
例えば、
- 「私のことをみんなが悪口言っているに違いない。」
- 「この世の中は、裏で誰かに操られている。」
- 「自分は特別な使命を持っているんだ。」
といった考えが、本人の頭の中では現実として強く信じられています。周りの人が「そんなことないよ」と言っても、なかなか納得できないのが妄想の特徴です。
これらの考えが、生活に支障をきたすほど強くなったり、長く続いたりする場合は、専門家のサポートが必要になることがあります。
「せん妄」の代表的な症状
「せん妄」は、脳の調子が悪くなっているサインです。そのため、様々な症状が現れます。
代表的な症状は以下の通りです。
- 意識レベルの変化 :急にぼーっとして、呼びかけへの反応が悪くなる。
- 注意力の低下 :周りのことに気がつきにくくなり、集中力が続かない。
- 見当識障害 :いつ、どこにいるのか、今が何月何日なのかなどが分からなくなる。
- 幻覚・幻視 :実際にはないものが見えたり、聞こえたりする。
- 妄想 :せん妄の症状として、一時的に妄想のようなことを話すこともある。
- 興奮・不穏 :落ち着きがなくなったり、イライラしたり、興奮したりする。
- 睡眠-覚醒リズムの乱れ :昼間はぼーっとして、夜になると興奮したり、眠れなくなったりする。
これらの症状は、突然現れることが多く、数時間から数日のうちに変化することが特徴です。
「妄想」はいつ起こりやすい?
「妄想」は、心の状態によって現れやすくなります。いくつかのパターンを見てみましょう。
一般的に、以下のような状況で妄想が起こりやすくなると言われています。
- 強いストレスや不安 :心配事が多すぎると、現実離れした考えにとらわれやすくなります。
- 孤独感や孤立感 :一人で抱え込んでいると、ネガティブな考えが膨らみやすくなります。
- 精神的な病気 :統合失調症などの病気では、妄想が主な症状の一つとなることがあります。
- 薬の副作用 :一部の薬の副作用で、一時的に妄想のような状態になることもあります。
大切なのは、これらの状況に気づいたら、一人で抱え込まずに、信頼できる人に相談したり、専門家の助けを求めることです。
「せん妄」はどんな人がなりやすい?
「せん妄」は、誰にでも起こりうるものですが、特に注意が必要な人もいます。
以下のような方は、せん妄になりやすいと言われています。
- 高齢者 :加齢とともに脳の機能が低下しているため、体の変化に弱くなります。
- もともと認知症のある方 :脳の機能が低下しているため、せん妄が起こりやすく、また、せん妄から回復しても認知機能がさらに低下してしまうことがあります。
- 持病のある方 :心臓病、肺の病気、腎臓病など、体の調子が悪いと脳に影響が出やすくなります。
- 複数の薬を服用している方 :薬の飲み合わせや副作用で脳の働きに影響が出ることがあります。
これらのリスクがある方は、普段から体調の変化に気を配り、無理をしないことが大切です。
「妄想」と「せん妄」の治療法
「妄想」と「せん妄」では、当然ながら治療法も異なります。
妄想 の場合:
- 精神療法・カウンセリング :自分の考えを整理し、現実との距離を理解できるようにサポートします。
- 薬物療法 :必要に応じて、抗精神病薬などが使われることがあります。
- 生活習慣の改善 :ストレスを減らし、規則正しい生活を送ることも大切です。
せん妄 の場合:
- 原因疾患の治療 :せん妄を引き起こしている体の病気や原因を治療します。
- 環境調整 :静かで安心できる環境を作り、見当識を保つための工夫(時計やカレンダーを置くなど)をします。
- 薬物療法 :興奮を抑える薬などが使われることもありますが、慎重に用いられます。
どちらの場合も、早期発見・早期治療が重要です。気になる症状があれば、迷わず専門医に相談しましょう。
このように、「妄想」と「せん妄」は、原因や症状、治療法など、多くの点で違いがあります。 妄想 と せん妄 の 違い を正しく理解することは、自分自身や周りの人を守るためにもとても大切です。もし、ご自身や家族、友人に気になる症状がある場合は、一人で悩まず、専門家(医師や看護師など)に相談するようにしましょう。