「内出血」と「皮下出血」、どちらも体のどこかで血が出てしまっている状態ですが、具体的にどう違うのでしょうか? 実は、この二つの言葉は、出血している場所によって使い分けられています。 内出血 と 皮下 出血 の 違い を理解することは、自分の体の状態を知る上でとても大切です。

内出血と皮下出血、どこが違うの?

「内出血」というのは、体の表面からは見えない、体の内部で起こった出血全般を指す、より広い言葉です。例えば、ぶつけた衝撃で筋肉の中で出血したり、内臓が傷ついて出血したりする場合などがこれにあたります。外からは血の色が見えないことも多いのですが、痛みや腫れ、場合によっては機能障害などを引き起こすことがあります。

一方、「皮下出血」は、文字通り「皮膚の下」で起こった出血のことです。これは内出血の一種とも言えますが、一般的には皮膚のすぐ下にある毛細血管が破れて起こり、目に見える形で現れることが多いです。いわゆる「あざ」や「たんこぶ」がこれに当たります。

内出血と皮下出血の主な違いは、出血している場所と、それが外から見てわかるかどうかという点です。わかりやすくまとめると、以下のようになります。

  • 内出血 :体の内部全般の出血。外から見えないことも多い。
  • 皮下出血 :皮膚の下の出血。あざなど、外から見えることが多い。

皮下出血のメカニズムと原因

皮下出血は、主に皮膚の下にある細い血管である毛細血管が、何らかの力で破れてしまうことで起こります。この毛細血管は非常にデリケートなので、ちょっとした衝撃でも傷つきやすいのです。

皮下出血を引き起こす原因は様々です。

  1. 打撲や圧迫 :転んだり、どこかにぶつけたり、強く圧迫されたりすることで、皮膚の下の血管がダメージを受けます。
  2. 老化 :年齢を重ねると、皮膚や血管が弱くなり、少しの刺激でも出血しやすくなります。
  3. 薬の影響 :血液をサラサラにする薬(抗凝固薬など)を飲んでいると、出血しやすく、また止まりにくくなることがあります。

皮下出血が起こると、血液が組織の中に漏れ出し、それが皮膚を通して見えるようになります。最初は赤っぽい色ですが、時間が経つにつれて、血液が分解されていく過程で、紫、青、緑、黄色と色が変化していくのが特徴です。

時間の経過 色の変化
直後〜1日 赤〜赤紫色
2〜3日 青〜紫色
4〜5日 緑色
1〜2週間 黄色〜薄茶色

内出血が起こりやすい場所

内出血は、体のあらゆる場所で起こり得ますが、特に起こりやすい場所がいくつかあります。これらの場所で出血が起こると、日常生活に影響が出ることも少なくありません。

まず、筋肉の中での内出血です。これは、スポーツ中の怪我や転倒などで、筋肉が強く収縮したり、直接的な衝撃を受けたりした際に発生しやすいです。例えば、太ももやふくらはぎの筋肉に血腫(血の塊)ができると、歩くのが困難になることもあります。

次に、関節の周りでの内出血もよく見られます。関節は多くの血管が集まっており、捻挫や骨折などの外傷によって出血しやすい部位です。関節内で出血が起こると、関節が腫れて動かせなくなったり、激しい痛みを伴ったりすることがあります。

また、頭部での内出血も注意が必要です。頭を強く打った場合、頭蓋骨の内側で出血が起こることがあり、これは脳震盪や脳挫傷といった、より深刻な状態につながる可能性があります。頭蓋内出血は、意識障害や吐き気などを引き起こすことがあります。

これらの内出血は、外からは直接見えにくい場合が多いため、原因となった出来事や、現れる症状に注意を払うことが重要です。

  • 筋肉内
  • 関節周囲
  • 頭蓋骨内

内出血と皮下出血の治療法

内出血や皮下出血の治療法は、その原因や出血の程度によって異なります。軽度なものであれば、特別な治療を必要としない場合も多いです。

まずは、応急処置として「RICE処置」が基本となります。これは、Rest(安静)、Ice(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)の頭文字をとったもので、怪我をした部位を安静にし、冷やし、包帯などで軽く圧迫し、心臓より高く保つことで、腫れや痛みを軽減させる方法です。

出血が広範囲であったり、痛みが強い場合、あるいは神経や関節の機能に影響が出ているような場合は、医療機関での診察が必要です。医師は、レントゲンや超音波、CTスキャンなどの検査を行い、出血の場所や程度を正確に把握します。

場合によっては、血腫を抜く処置や、手術が必要になることもあります。また、出血が止まりにくい原因がある場合は、その原因に対する治療も行われます。例えば、血液をサラサラにする薬の影響であれば、薬の調整が検討されることがあります。

  1. RICE処置
  2. 画像検査(レントゲン、CTなど)
  3. 外科的処置(排血、手術など)

注意すべき「内出血」のサイン

ほとんどの皮下出血は、ぶつけた覚えのある場所や、少しの衝撃で起こるもので、心配ないことが多いです。しかし、以下のようなサインが見られる場合は、注意が必要です。これらのサインは、単なる皮下出血ではなく、より深刻な病気が隠れている可能性を示唆しています。

まず、理由もなく、あるいはほんの少しの刺激で、あちこちに頻繁に皮下出血(あざ)ができる場合です。これは、血液が固まりにくくなる病気(血友病など)や、血小板の数が少なくなってしまう病気(血小板減少症など)のサインかもしれません。

次に、出血したあざがなかなか消えなかったり、どんどん大きくなったりする場合も注意が必要です。通常、皮下出血は1〜2週間で自然に治っていきますが、治りが遅い場合は、何らかの異常が考えられます。また、出血が広範囲に広がる場合も注意が必要です。

さらに、内出血が起こる場所も重要です。例えば、消化管(胃や腸)からの出血は、便が黒くなったり、血が混じったりすることで気づくことがあります。また、尿に血が混じる(血尿)場合も、泌尿器系の問題や、全身性の病気のサインである可能性があります。

これらのサインが見られた場合は、自己判断せずに、必ず医療機関を受診し、専門医の診断を受けるようにしましょう。

  • 原因不明のあちこちのあざ
  • 治りにくい、または大きくなるあざ
  • 黒い便や血尿

知っておきたい、内出血と皮下出血の予防法

内出血や皮下出血を完全に防ぐことは難しいかもしれませんが、いくつかの予防策を知っておくことで、リスクを減らすことができます。

まず、日常生活での怪我を防ぐことが大切です。転倒しやすい場所には手すりをつけたり、足元を整理したりするなどの工夫をしましょう。特に高齢者の方は、転倒は大きな怪我につながりやすいので注意が必要です。

また、バランスの取れた食事と適度な運動は、体の健康を保ち、血管を丈夫にする助けとなります。ビタミンCやビタミンKは、血管の健康や血液の凝固に関わる栄養素なので、これらを多く含む食品(果物、野菜、緑黄色野菜など)を積極的に摂ると良いでしょう。

薬を服用している方は、医師や薬剤師の指示に従い、正しい用法・用量を守ることが重要です。特に、血液をサラサラにする薬を飲んでいる場合は、転倒や怪我に一層注意が必要です。

定期的な健康診断を受けることも、隠れた病気(出血傾向のある病気など)を早期に発見し、予防につなげる上で有効です。

  1. 安全な生活環境の整備
  2. バランスの取れた食事と適度な運動
  3. 薬の正しい服用
  4. 定期的な健康診断

内出血と皮下出血は、体のSOSサインであることがあります。その違いを理解し、気になる症状があれば、早めに医療機関に相談することが、健康を守る上で何よりも大切です。

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