「捻挫」と「靭帯損傷」って、よく聞く言葉だけど、一体何が違うんだろう?実は、この二つの言葉は、私たちの体の関節で起こるケガの種類を指していて、 捻挫 と 靭帯 損傷 の 違い を理解することは、適切な処置や回復への第一歩となるんです。
「捻挫」と「靭帯損傷」:根本的な意味合いを探る
まず、一番大事なことからお話しましょう。捻挫とは、関節が正常な範囲を超えて無理に動かされたり、ねじられたりしたときに起こる、関節周囲の組織の損傷全般を指します。靭帯は、この関節を安定させるために骨と骨をつないでいる丈夫な「ひも」のような組織なのですが、捻挫の主な原因となるのが、この靭帯の伸びすぎや断裂なんです。
つまり、 捻挫 というのは、靭帯が損傷した状態そのもの を指すことが多いのです。ですので、厳密に言えば、「捻挫」は「靭帯損傷」という大きなカテゴリに含まれる、より具体的なケガの呼び方と言えるでしょう。でも、日常生活では、痛めた関節を指して「捻挫した!」と言うことが一般的ですよね。
では、靭帯損傷の度合いによって、どのように呼び方が変わってくるのか、見ていきましょう。
- 軽度(I度): 靭帯が少し伸びたくらい。痛みはあるけれど、関節は比較的安定している。
- 中度(II度): 靭帯の一部が切れている状態。痛みや腫れが強く、関節が不安定になることもある。
- 重度(III度): 靭帯が完全に切れている状態。激しい痛みと腫れがあり、関節が大きく動いてしまう。
捻挫の「度合い」が重要!
捻挫が起きたとき、私たちが一番気にしなければいけないのは、その「度合い」です。この度合いによって、痛みの強さや回復までの期間、そして必要な治療法が大きく変わってくるからです。
軽度の捻挫であれば、安静にして冷やせば数日から1週間程度で改善することが多いです。しかし、中度や重度の捻挫、つまり靭帯の損傷がひどい場合は、専門的な治療が必要になります。
ここで、捻挫の度合いと、それによって起こりうる状態をまとめた表を見てみましょう。
| 度合い | 靭帯の状態 | 症状 | 回復期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 軽度(I度) | 軽度の伸び | 軽度の痛み、腫れ、圧痛 | 数日~1週間 |
| 中度(II度) | 部分的な断裂 | 中程度~重度の痛み、腫れ、内出血、不安定感 | 数週間~数ヶ月 |
| 重度(III度) | 完全断裂 | 激しい痛み、腫れ、内出血、関節の不安定性 | 数ヶ月~半年以上 |
靭帯損傷の「種類」を知ろう
「靭帯損傷」と一言で言っても、どの靭帯が、どのように損傷したかによって、その症状や治療法は異なります。例えば、足首の捻挫でよく聞く「前距腓靭帯」の損傷や、膝の半月板損傷なども、広い意味では靭帯(またはそれに近い軟骨)の損傷と言えるでしょう。
ここでは、代表的な靭帯損傷についていくつかご紹介します。
- 足首の靭帯損傷: 最も一般的な捻挫のタイプ。外側の靭帯(前距腓靭帯、後距腓靭帯、腓骨筋腱)や、内側の靭帯(三角靭帯)が損傷します。
- 膝の靭帯損傷: 前十字靭帯(ACL)、後十字靭帯(PCL)、内側側副靭帯(MCL)、外側側副靭帯(LCL)などがあり、スポーツでの受傷が多いです。
- 手首の靭帯損傷: ドケルバン病などが有名ですが、手首の骨と骨をつなぐ靭帯の損傷も起こり得ます。
「原因」は似ていることも多い
捻挫も靭帯損傷も、その原因となる動きは似ていることが多いです。急な方向転換、ジャンプからの着地、不意な衝撃などが、関節に過度な負荷をかけ、靭帯を痛める引き金となります。
しかし、靭帯損傷が「結果」として起こるケガであるのに対し、捻挫は「原因」となる動作や、その時の衝撃を包括的に指す場合もあります。たとえば、「足首をひねって捻挫した」という表現は、その動作全体を指しているとも言えます。
「症状」の違いを見極めるポイント
痛みの強さや腫れの度合いは、靭帯損傷の程度によって大きく変わります。軽度の捻挫であれば、歩くのが多少つらい程度ですが、重度の靭帯損傷になると、体重をかけることも難しくなります。
また、関節の「不安定感」も重要なサインです。まるで関節が「ぐらつく」ような感覚がある場合は、靭帯が大きく損傷している可能性が高いです。このような症状が見られたら、早めに医療機関を受診することが大切です。
「治療法」はどう違う?
軽度の捻挫であれば、RICE処置(Rest:安静、Ice:冷却、Compression:圧迫、Elevation:挙上)で十分な場合が多いです。しかし、靭帯の断裂が疑われる場合は、ギプス固定や手術が必要になることもあります。医師は、レントゲンやMRIなどの画像検査で、靭帯の状態を詳しく調べ、最適な治療法を判断します。
「回復期間」の目安
回復期間は、捻挫の度合いや靭帯損傷の程度、そして治療法によって大きく異なります。軽度であれば数日から1週間程度で日常生活に戻れることもありますが、重度の靭帯損傷や手術をした場合は、数ヶ月から半年以上かかることも珍しくありません。焦らず、医師の指示に従ってリハビリテーションを進めることが、完全な回復への鍵となります。
このように、「捻挫」と「靭帯損傷」は密接に関連しており、捻挫は靭帯損傷を含む関節のケガ全般を指すことが多いのです。ご自身の体の声に耳を傾け、無理せず、適切なケアをすることが、健康な体を保つためにとても大切ですよ。