「書類送検」と「逮捕」、ニュースなどでよく耳にする言葉ですが、この二つには一体どんな違いがあるのでしょうか。 書類送検と逮捕の違い を理解することは、事件や法の手続きについて知る上でとても大切です。今回は、この二つの用語の基本的な意味と、それぞれの持つ意味合いを分かりやすく解説していきます。

「書類送検」とは?~捜査機関が事件の記録を検察官に渡すこと

まず、「書類送検」について見ていきましょう。これは、警察などが事件の捜査を終えた後、その事件に関する書類や証拠品を検察官に引き渡す手続きのことです。つまり、容疑者が警察に連行されて直接身柄を拘束される「逮捕」とは異なり、容疑者が自宅にいる状態でも行われることがあります。この手続きによって、事件の法的な判断や起訴の判断が検察官に移ります。

書類送検には、いくつかのポイントがあります。

  • 目的: 事件の記録を検察官に提出し、その後の法的な処分(起訴するかどうかなど)の判断を仰ぐこと。
  • 容疑者の状況: 原則として、身柄は拘束されていません。自宅などにいる状態で行われることが多いです。
  • 手続きの流れ: 警察が捜査し、事件の証拠や関係者の供述などをまとめた書類を作成し、検察官へ送付します。

例えば、軽微な犯罪で、逃亡や証拠隠滅のおそれがあまりないと判断された場合などに、書類送検という形が取られることがあります。これは、捜査の次の段階に進めるための重要なステップです。

「逮捕」とは?~身柄を拘束すること

次に、「逮捕」についてです。逮捕は、犯罪の疑いがある人を、裁判官が発付した令状に基づき、または現行犯で、その身柄を強制的に拘束する手続きです。これにより、容疑者は一定期間、警察署などに留め置かれることになります。逮捕は、被疑者が逃亡したり、証拠を隠滅したりするのを防ぐために行われます。

逮捕と聞くと、少し怖いイメージを持つかもしれませんが、法的手続きとして重要な役割があります。逮捕されると、被疑者の権利が一定程度制限されますが、これは公正な捜査を進めるために必要な場合があるからです。

逮捕には、大きく分けて以下の種類があります。

  1. 通常逮捕: 裁判官が発付した逮捕状に基づいて行われる逮捕。
  2. 緊急逮捕: 重大な犯罪で、逮捕状を請求する時間がない場合に、令状なしで行われる逮捕。ただし、後で逮捕状の請求が必要となります。
  3. 現行犯逮捕: 犯罪を行っている最中、または犯罪を行ってすぐの者を、令状なしで行う逮捕。

逮捕された場合、被疑者は弁護士に相談する権利などが保障されています。

両者の根本的な違い:身柄拘束の有無

書類送検と逮捕の最も大きな違いは、「身柄拘束の有無」です。表にまとめると、その違いがより明確になります。

項目 書類送検 逮捕
身柄拘束 原則なし あり
手続きの開始 捜査終了後、検察官への書類提出 犯罪の疑い、令状または現行犯
その後の流れ 検察官が起訴・不起訴を判断 勾留請求、検察官の起訴・不起訴判断

このように、書類送検はあくまで捜査の記録を検察官に渡す手続きであり、逮捕はその過程で被疑者の身柄を一時的に拘束する強制的な手続きと言えます。

書類送検の「その後」

書類送検された場合、その後の流れは検察官の判断に委ねられます。検察官は、送られてきた書類や証拠を精査し、被疑者を起訴するかどうかを決定します。この判断は、証拠の十分さや犯罪の悪質性などを総合的に考慮して行われます。

  • 起訴: 裁判にかけて罪を問うこと。
  • 不起訴: 裁判にかけないこと。これには、嫌疑不十分(証拠が足りない)、犯罪不成立(犯罪ではない)、起訴猶予(罪にはなるが、情状酌量により起訴しない)などがあります。

不起訴処分となった場合、事件はそこで終了します。起訴された場合は、裁判が開かれ、有罪か無罪かが判断されます。

逮捕の「その後」

逮捕された場合、まず警察は、被疑者を留め置くための「勾留」を検察官に請求するかどうかを判断します。勾留が認められると、被疑者は最長20日間、身柄を拘束され、さらなる取調べが行われます。この間、弁護士との接見も可能です。

  1. 勾留請求: 検察官が裁判官に勾留を求めること。
  2. 勾留決定: 裁判官が勾留を認めること。
  3. 勾留却下: 裁判官が勾留を認めないこと。この場合、被疑者は釈放されます。

勾留期間が終わるまでに、検察官は起訴するか不起訴にするかを決定します。勾留されずに在宅のまま捜査が進む場合もあります。

書類送検と逮捕、どちらが重い?

一般的に、逮捕は身柄を拘束されるため、被疑者にとってはより直接的で重大な影響があります。書類送検は、身柄拘束がない場合でも、その後の検察官の判断によっては起訴される可能性があり、法的な手続きが進むという点では重要です。

どちらの手続きも、犯罪捜査において必要なプロセスですが、その目的や影響は異なります。

まとめ

書類送検と逮捕は、どちらも犯罪捜査に関わる言葉ですが、その意味合いは大きく異なります。書類送検は事件の記録を検察官に渡す手続きで、逮捕は身柄を拘束する手続きです。この違いを理解しておくことで、ニュースなどで事件報道に触れた際に、より正確に状況を把握することができるでしょう。

もし、ご自身や周りの人が法的な問題に直面した場合は、専門家である弁護士に相談することが最も重要です。

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