「急性心筋梗塞」と「心筋梗塞」という言葉を聞いたことはありますか?実は、これらは似ているようで少し違いがあります。この二つの違いを理解することは、自分の体や大切な人の健康を守る上で非常に重要です。

心筋梗塞とは?その種類と「急性」の意味

心筋梗塞とは、心臓の筋肉(心筋)に血液を送る「冠動脈」という血管が詰まってしまい、心筋が酸素不足になって壊れてしまう病気のことです。この壊れてしまった心筋は、二度と元には戻りません。心筋梗塞には、いくつかの種類がありますが、最も注意が必要なのが「急性心筋梗塞」なのです。

心筋梗塞が起こる原因は、主に動脈硬化によって冠動脈が狭くなり、そこに血の塊(血栓)ができて完全に詰まることです。しかし、詰まるまでのスピードや、壊れてしまう心筋の範囲、そして症状の現れ方によって、その状況は大きく異なります。

急性心筋梗塞と心筋梗塞の違いを理解することは、いざという時に適切な行動をとるために不可欠です。

  • 心筋梗塞: 心筋が壊れる病気の総称
  • 急性心筋梗塞: 突然、血栓ができて血管が詰まり、心筋が急速に壊死してしまう状態

突然の激痛!急性心筋梗塞のサイン

急性心筋梗塞は、その名の通り「急に」起こります。症状としては、突然の激しい胸の痛み、圧迫感、締め付けられるような感覚が特徴的です。この痛みは、数分から数十分続くこともあり、左肩や顎、背中に広がることもあります。息苦しさや冷や汗、吐き気、めまいなどを伴うことも少なくありません。

これらの症状は、まるで心臓が悲鳴を上げているかのようです。もし、自分や周りの人がこのような症状を訴えたら、迷わず救急車を呼ぶことが大切です。

  1. 突然の激しい胸の痛み
  2. 痛みが数分~数十分続く
  3. 左肩や顎への放散痛
  4. 冷や汗、息苦しさ、吐き気

心筋梗塞の「種類」をもう少し詳しく見てみよう

心筋梗塞は、血管が詰まる場所や詰まり方、そして心筋が壊れる範囲によって、さらに細かく分類されます。大きく分けると、「ST上昇型心筋梗塞(STEMI)」と「非ST上昇型心筋梗塞(NSTEMI)」があります。

種類 特徴 治療の緊急度
ST上昇型心筋梗塞(STEMI) 冠動脈が完全に詰まり、心筋が広範囲に急速に壊死する。 非常に高い(すぐに血流を再開させる治療が必要)
非ST上昇型心筋梗塞(NSTEMI) 冠動脈が部分的に詰まる、または一時的に詰まる。心筋の壊死範囲はSTEMIより小さい傾向がある。 高い(STEMIほどではないが、迅速な治療が望ましい)

この分類は、心電図という検査で確認される「ST部分」という波形の変化で判断されます。STEMIは、心筋が壊れるスピードが速いため、一刻も早い治療が求められます。

心筋梗塞の原因:動脈硬化との戦い

心筋梗塞の主な原因は、心臓に血液を送る血管である冠動脈が硬く、狭くなる「動脈硬化」です。この動脈硬化は、長年の生活習慣の積み重ねによって進行します。

  • 加齢: 年齢とともに血管は弾力性を失い、傷つきやすくなります。
  • 高血圧: 血管に常に高い圧力がかかり、血管壁を傷つけます。
  • 脂質異常症(高コレステロール血症など): 血液中の悪玉コレステロールが増えると、血管壁にプラーク(コブ)ができやすくなります。
  • 糖尿病: 血糖値が高い状態が続くと、血管が傷つき、動脈硬化が進みます。
  • 喫煙: タバコに含まれる有害物質は血管を収縮させ、動脈硬化を促進します。
  • 肥満: 過剰な体重は、高血圧や脂質異常症、糖尿病のリスクを高めます。
  • 運動不足: 適度な運動は血管の健康を保ちますが、不足するとリスクが高まります。

これらの危険因子が複数重なることで、動脈硬化はさらに悪化し、心筋梗塞の発生リスクが高まります。

早期発見・早期治療が命を救う

心筋梗塞、特に急性心筋梗塞は、時間との戦いです。発症してから治療を開始するまでの時間が短いほど、心筋のダメージを最小限に抑え、命を救える可能性が高くなります。

  1. 症状が出たらすぐに救急車を呼ぶ: 迷わず「119番」
  2. 救急車を待っている間に: 楽な姿勢で安静にし、深呼吸を心がける
  3. 医療機関での迅速な診断: 心電図、血液検査などで診断
  4. カテーテル治療や血栓溶解療法: 詰まった血管を広げ、血流を再開させる

「少し様子を見よう」と考えている間に、心筋の壊死が広がり、重篤な状態になってしまうことがあります。そのため、どんなに軽い症状でも、疑わしい場合はすぐに医療機関を受診することが重要です。

心筋梗塞の予防:健康的な生活習慣を心がけよう

心筋梗塞は、日頃の生活習慣を見直すことで、そのリスクを大きく減らすことができます。健康的な生活習慣は、動脈硬化の進行を遅らせ、心臓を守るための強力な武器となります。

  • バランスの取れた食事: 野菜や果物を多く摂り、塩分や脂肪分の摂りすぎに注意する。
  • 適度な運動: 週に数回、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を行う。
  • 禁煙: 喫煙している場合は、禁煙外来などを利用して禁煙に挑戦する。
  • 適正体重の維持: 肥満気味の方は、食事や運動で体重を管理する。
  • ストレス管理: 十分な睡眠やリラックスできる時間を作り、ストレスを溜め込まないようにする。
  • 定期的な健康診断: 高血圧、脂質異常症、糖尿病などの早期発見・早期治療に努める。

これらの生活習慣は、心臓だけでなく、全身の健康維持にもつながります。

まとめ:急性心筋梗塞と心筋梗塞の違いを理解し、心臓を守ろう

「急性心筋梗塞」と「心筋梗塞」の違いは、その「速さ」と「緊急性」にあります。心筋梗塞は心筋が壊れる病気の総称ですが、急性心筋梗塞は、血管が突然詰まって心筋が急速に壊死してしまう、より危険な状態を指します。この違いを理解し、心筋梗塞のサインを見逃さず、早期に適切な対応をとることが、命を救う鍵となります。日頃から健康的な生活習慣を心がけ、大切な心臓を守っていきましょう。

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