「昨年(さくねん)」と「去年(きょねん)」、どちらも「前の年」を指す言葉ですが、実は少しだけニュアンスが違います。この二つの言葉の 昨年 と 去年 の 違い を理解することで、より自然で洗練された日本語が使えるようになりますよ。今回は、この二つの言葉の使い分けについて、分かりやすく解説していきます。
「昨年」と「去年」の基本的な意味と使われ方
「昨年」と「去年」は、どちらも「前の年」を指す言葉ですが、その使われ方には微妙な違いがあります。一般的に、「昨年」は少し改まった場面や、文章で使われることが多い傾向があります。「去年」は、より日常会話で親しみやすく使われることが多い言葉です。 この使い分けを知っているだけで、あなたの日本語はぐっと豊かになります。
- 昨年: 公的な文書、ニュース記事、ビジネスシーンなど、ややフォーマルな場面で使われやすい。
- 去年: 友人との会話、日記、家族との話など、インフォーマルな場面で使われやすい。
例えば、会社の年間報告書には「昨年」と書くのが一般的ですが、友達に「去年の夏は暑かったね!」と話すときは「去年」を使うのが自然です。この違いは、言葉の響きや、それが持つ印象によって生まれています。
それでは、具体的にどのような状況でどちらの言葉がより適切なのか、いくつかの例文を見てみましょう。
| 場面 | 「昨年」が適している例 | 「去年」が適している例 |
|---|---|---|
| ビジネス | 昨年の業績は過去最高を記録しました。 | (あまり使わない) |
| 友人との会話 | (あまり使わない) | 去年、一緒に旅行に行ったのが懐かしいね。 |
| ニュース | 昨年、大きな自然災害が発生しました。 | (あまり使わない) |
「昨年」が持つ改まった響き
「昨年」という言葉は、漢字の「昨」が持つ少し古風な響きや、「年」という言葉のフォーマルさが相まって、改まった印象を与えます。そのため、公式な場や、相手に敬意を払いたい場面で使われることが多いのです。
具体的には、以下のような場面で「昨年」がよく使われます。
- 公的な文書: 政府の発表、法律、契約書など。
- 報道・ニュース: 新聞記事、テレビのニュース番組など。
- ビジネス文書: 報告書、企画書、メールのやり取りなど。
例えば、「昨年の決算報告」や「昨年の出来事」といった表現は、その内容の重要性や、公式な記録であることを示唆します。 「昨年」を使うことで、言葉に重みと信頼性が加わるのです。
「去年」の親しみやすいトーン
一方、「去年」は、より口語的で親しみやすい響きを持っています。日常会話で気軽に使うことができ、聞く相手にもリラックスした印象を与えます。
「去年」がよく使われる場面は以下の通りです。
- 友人や家族との会話: 「去年の夏休みどうだった?」、「去年買った服、もう着ないな」といった、個人的な話題。
- 日記やブログ: 個人の記録として、気取らない表現で書きたいとき。
- 身近な話題: 近所の出来事や、個人的な経験談などを話すとき。
例えば、「去年、初めて〇〇に行ってきたんだ!」や「去年の誕生日プレゼント、ありがとう!」のように、感情を込めて話すときには、「去年」の方が自然に聞こえます。 「去年」は、あなたの言葉をより温かく、身近なものにしてくれます。
「昨年」と「去年」の使い分けのポイント
「昨年」と「去年」の使い分けは、主に「場面」と「相手」によって決まります。どちらが絶対的に正しいということはありませんが、状況に合わせて使い分けることで、より円滑なコミュニケーションが可能になります。
使い分けのポイントは以下の通りです。
| 考慮点 | 「昨年」が適している場合 | 「去年」が適している場合 |
|---|---|---|
| 場面 | フォーマル、公的、公式 | インフォーマル、プライベート、日常 |
| 相手 | 目上の方、初対面の方、ビジネス関係者 | 友人、家族、親しい間柄の人 |
| 文章の種類 | 報告書、論文、ニュース記事 | 日記、メール(親しい相手)、SNS |
迷ったときは、その言葉がどのような印象を与えるかを想像してみましょう。 「昨年」は少し硬い印象、「去年」は柔らかい印象です。
「一昨年」との関係性
「昨年」や「去年」という言葉には、「一昨年(おととし)」という言葉も関連してきます。これは、「前の前の年」を指す言葉です。
- 去年: 直前の年
- 一昨年: その前の年
「一昨年」にも、「昨年」と同様に、より改まった場面で使われる「前年(ぜんねん)」という言葉がありますが、日常会話では「一昨年」が圧倒的に一般的です。「昨年」と「去年」の対比と同様に、「前年」と「一昨年」も、フォーマルさとインフォーマルさのニュアンスの違いがあります。
例えば、
- 「昨年」の次の年:「今年」
- 「去年」の次の年:「今年」
- 「昨年」の前の年:「一昨年」または「前年」
- 「去年」の前の年:「一昨年」
このように、時の流れの中で「昨年」や「去年」がどのような位置づけになるかを理解しておくと、さらに言葉の使い分けがスムーズになります。
「昨年度」と「去年度」という表現
「昨年」や「去年」は年そのものを指しますが、「昨年度(さくねんど)」や「去年度(きょねんど)」は、会計年度や事業年度など、期間を指す言葉です。
こちらも、「昨年」と「去年」と同様に、
- 昨年度: よりフォーマルな場面、公的な文書
- 去年度: より日常的な場面、学校や地域での活動
で使われる傾向があります。例えば、学校の成績表には「昨年度の成績」と書かれることがありますが、友人との話で「去年度の文化祭、楽しかったよね!」と言うこともあります。
「年度」という言葉が付くと、単なる年ではなく、一定の期間を区切った意味合いが強まります。
「前年」という言葉について
「昨年」や「去年」に似た言葉に、「前年(ぜんねん)」があります。「前年」は「前の年」を意味しますが、「昨年」よりもさらに改まった、あるいは技術的な文脈で使われることが多い言葉です。
特に、
- 統計データ: 「前年比」という言葉で、前の年の数値との比較を示す場合。
- 法的な文脈: 法律や条約などで、過去の年を特定する必要がある場合。
で使われます。例えば、「前年の売上高は〇〇円でした」のように、客観的な事実を述べる際に用いられます。
「前年」は、感情を排し、事実を正確に伝えることに重点を置いた言葉と言えるでしょう。
まとめ:適切に使い分けて、日本語をもっと楽しもう!
「昨年」と「去年」の違い、そして関連する言葉について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?どちらの言葉も「前の年」を指すことに変わりはありませんが、その使われ方には微妙なニュアンスがあります。今回ご紹介したポイントを参考に、場面や相手に合わせて言葉を使い分けることで、あなたの日本語はより豊かで自然なものになるはずです。ぜひ、この機会に「昨年」と「去年」の使い分けを楽しんでみてください。